右手よりは気持ちいいよ
- 177: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/07(水) 12:44 j9XKHWpXO
〜第九話・最高にハイッてヤツだ!〜
( ^ω^)右手より気持ちいいお!
- 178: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/07(水) 19:29 j9XKHWpXO
ξ;゚听)ξ「ね? 洒落にならないって言ったでしょ」
(;'A`)「いや、これは予想外だっつーの」
(;^ω^)「お〜…」
吹き荒れる暴風に気押され、三人はジリジリと後ろに下がる。
(*゚∀゚)「アヒャヒャ、逃がさないよ〜」
握る短剣を振るう。
それに合わせて、突風が吹き三人は更にたたらを踏む。
(;^ω^)「よくある敵キャラのパワーアップかお」
('A`)「あるあるwwww」
ξ#゚听)ξ「ふざけてる場合じゃないでしょうが!」
ツンがホルスターから銃を抜き、三度引き金を引く。
銃弾は真っ直ぐ、つーに向かって飛び。
切り裂かれた。
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャッ!!! 無駄無駄ァッ!」
ξ;゚听)ξ「チッ…」
軽く舌打ちし、更に引き金に力を込め銃弾を放つ。
銃弾はやはり、つーに届く前に短剣で切り飛ばされる。
( ^ω^)(普通、飛んでくる弾は切れないお)
('A`)(ありがちだよね〜)
(*゚∀゚)「ショボンもツンも分かんないね〜…。何でアイツに肩入れするんだか」
右手の短剣で弾を切り、左手の短剣を振るい突風を起こす。
ξ゚听)ξ「考えが変わったのよ!」
突風が刃と化し、その刃は機材を解体しながらツンへと迫る。
一挙動でマガジンを交換しながら、前転の要領で刃をかわし、再び弾を吐き出していく。
( ^ω^)(頑張ってますお〜)
('A`)(燃えてますね〜…あ、パンツ見えた)
(*^ω^)(おぉっ! 白かお。中々ナイスなアングルだお!)
(*'A`)(あっちのねーちゃんはオッパイでかいな〜)
(*^ω^)(乳揺れ万歳だお)
機材の陰に隠れた二人は、乳揺れとチラリズムについてのレポートをまとめようと心に誓うのだった。
- 179: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/07(水) 19:36 j9XKHWpXO
(*゚∀゚)「やっぱりこっちだけ無敵モードなのは気が引けるからさ〜…ツンも使いなよ、宝具」
( ^ω^)(Fateかお)
('A`)(ぶっちゃけショボンも使ってたよな)
( ^ω^)(ありがちだおね)
('A`)(ですよね〜)
ξ゚听)ξ「……使う気が起きないわね……」
(*゚∀゚)「死んじゃうよ〜? いいのかな〜?」
( ^ω^)(先に必殺技使うと大体負けるおね)
('A`)(噛ませ犬って感じだよな)
( ^ω^)(ほっといても大丈夫そうだお)
('A`)(あ〜確かに)
ξ゚听)ξ「宝具の使用は歴史への影響が大きすぎるわ……分かってるの?」
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャ、アタシ達は歴史になんか興味がないからね。内藤ホライゾンさえ殺せれば構わないよ」
( ^ω^)(ショボンはかなり頻繁に使ってたおね)
('A`)(まぁ、ケツ狙うだけだから大丈夫なんじゃね?)
( ^ω^)(成程――)
無意識に、二人のアナルに力が込められた。
(*゚∀゚)「ま、いいか。使わないなら使わないで楽だし」
二つの短剣を一度交差させ、地面に叩き付ける様に振り下ろす。
起きた突風が、つーの体に絡み付く様に吹き、彼女の体を中に浮かべる。
そして。
ツンの視界から彼女の姿が掻き消え。
ξ;゚听)ξ「なっ――」
(*゚∀゚)「バイバイ、ツン」
眼前につーの笑顔が現れ、ツンの目の前が真っ赤に染まった。
- 180: sage :03/08(木) 15:45 WP2HYHpIO
( ^ω^)
――えぇ、そうですお。
僕は毎日、ネットダイブにいそしんで時々見付かるオカズでオナニーをする。
巨乳? ロリ? メイド?
そんなもの、右手には関係無いお。
ただ、前後に動かすだけだったお。
僕はそれで満足していたんだお。
だけど。
僕の意識と無関係に世界は変わって行ったんだお。
そして。
僕の意識と無関係に僕の体は動いていたんだお。
- 181: うごあああぁっ!やっちまった!◆sEiA3Q16Vo :03/08(木) 15:47 WP2HYHpIO
(*゚∀゚)「ありゃ? 何考えてんの、こいつ」
ξ;゚听)ξ「な、内藤…」
(;^ω^)「おっおっお…オニャノコには怪我させられないお…」
ツンを押し倒した内藤の衣服が赤く染まっていく。
裂けた肩口から溢れる鮮血が、腕を伝い、地面を汚す。
('A`)「あ〜あ、せっかく治したってのに。馬鹿野郎が」
物陰からのそのそと這い出したドクオが、股間から布切れを取り出す。
(*゚∀゚)「アヒャヒャ、わざわざ出てくるなんてマヌケだねぇ〜」
地面に降り立ったつーが、風を纏った短剣を振り上げ、その動きを止める。
(;*゚∀゚)「アヒャ?」
彼女の前に突き付けられた物。
バイブだった。
男性器を模したピンク色のそれが、突き付けられている。
('A`)「動けば、俺のマグナムが(性的な意味で)火を吹くぜ」
(*゚∀゚)「……………」
('A`)「先に行け、ここは俺に任せろ」
振り上げたまま動かないつーを尻目に、ドクオはツンに布切れを放り投げる。
ξ;゚听)ξ「あんた…何考えるのよ…」
(;^ω^)(ってかこの布切れ良く見ればふんどしだお…え? 何これ、巻くの? マジで?)
('A`)「フッ…安心しろ…死にhξ゚听)ξ「分かったわ! 行くわよ、内藤!」
言うが早いか、内藤の襟を掴みツンは駆け出した。
('A`)「……………」
(*゚∀゚)「アヒャヒャ…」
('A`)「…始めようか」
駆け出したドクオの目尻には、一筋の涙が煌めいていた。
- 183: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/08(木) 16:32 WP2HYHpIO
ξ゚听)ξ
――憶えているのは、血の味。
燃える街。
そして、動かないお父さんとお母さんだった。
光を放つ男が居た。
放つ光は何もかも壊してしまった。
みんな、みんな。
あの男が壊してしまった。
その男は、私の隣に居る。
内藤ホライゾン。
私は、この男を殺すはずだった。
だけど。
この男は私を助けてくれた。
私は。
私は――
この男が――
- 184: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/08(木) 16:33 WP2HYHpIO
ξ;゚听)ξ「ここまで…来れば…」
荒い息をつき、ツンはその場にしゃがみ込む。
(;^ω^)「ブヒィィ…ブヒィィ…もう走りたくないおぉ…」
内藤はと言えば、恥も外聞も無しに地面に身を横たえていた。
ξ;゚听)ξ「少しは…ダイエットしなさいよ…」
(;^ω^)「前向きに…検討するお…ブヒィィ…」
二人が呼吸を整えるのに数分を要し、落ち着いた所で周りを認識する余裕ができた。
( ^ω^)「どこかの路地裏みたいだお」
日当たりが悪く、背の高い建物に囲まれたそこは、あまりよろしくない雰囲気をかもし出していた。
( ^ω^)「出来るだけ離れた方がいいおね」
内藤は立ち上がり尻に着いた埃を払う。
ξ゚听)ξ「その前に、あんた怪我してるんでしょ? ちょっと見せなさいよ」
( ^ω^)「おっおっ、そんなに痛くないからかすり傷程度だお」
ξ゚听)ξ「あれだけ血が出たのにかすり傷程度なわけ――」
言いながら肩の傷口を覗き込んだツンは、絶句した。
ξ;゚听)ξ(何これ…ほとんど塞がってるじゃない…)
付着した血痕から、傷口はかなり酷いはずだった。
しかし、傷口とおぼしき場所には薄い皮膜が生まれていた。
( ^ω^)「お? どうかしたかお?」
ξ;゚听)ξ「な、なんでもないわ…あまり酷くないみたいだから…」
動揺が伝わらないよう、ドクオから渡された布切れを巻き付ける。
(;^ω^)(やっぱり巻かれるのかお…)
ξ゚听)ξ「これで…よし、と」
( ^ω^)「おっおっお。ありがとうだお」
ξ///)ξ「べ、別に大した事したわけじゃないんだからね!」
内藤の満面の笑みに、ツンは赤面するのだった。
- 185: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/08(木) 16:35 WP2HYHpIO
( ^ω^)「ドクオが心配だけど、多分何とかなると思うお」
ξ゚听)ξ「何でそんなことが分かるのよ?」
( ^ω^)「童貞は不滅だお」
ξ゚听)ξ「成程」
彼の言葉には、言いしれぬ説得力があった。
( ^ω^)「とりあえず他の場所に身を隠すお」
言いながら内藤は、ツンに右手を差し出す。
ξ゚听)ξ「…………」
それを見たツンは、一瞬躊躇し、内藤の右手を取る。
ξ゚ー゚)ξ「えぇ、行きましょ!」
そして二人は、駆け出した。
- 192: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/09(金) 08:57 oRh1hnfSO
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャッ!!! そんな物でどうするのかな〜?」
('A`)「…フッ、このバイブをただのバイブと思うなよ」
ツンと内藤が脱出し、僅かな間を置いた後につーが口を開いた。
確かにいきなりバイブという意表を突いた行動には驚かされたが、こちらのアドバンテージは揺らがない。
彼女は、そう確信した。
(*゚∀゚)「アヒャヒャ、バイブなんかにアタシの宝具が止められるはずがないよね〜」
確信した、筈だった。
('A`)「試してみろよ」
ドクオは言い放った。
口元に、不適な笑みを浮かべ。
(*゚∀゚)「……アヒャヒャヒャヒャッ!!! 面白いねぇ! だったらバラバラにしてあげるよぉ!」
彼女の黄金の瞳が激しく輝く。
全身に風を纏い、ドクオへと狙いを付ける。
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャッッッ!!!」
引き絞られ、放たれた矢の様に。
猛獣は解き放たれた。
('A`)「…フッ…」
ドクオは、再び嘲笑し。
バイブのスイッチをオンにした。
ウィンウィンウィンヴヴヴヴヴヴウィンウィンゥィーンゥィーンヴヴヴヴヴ
('A`)「……………」
(;'A`)
(;゚A゚)「間 違 え た 」
アッー!
- 198: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/10(土) 00:41 cjrg2NKCO
('A`)「…イテェ…」
壁に叩き付けられたドクオが、苦痛の声を漏らす。
暴風が彼の体をきりもみ状にしながら持て遊び、投げつけたのだ。
(*゚∀゚)「頑丈だねぇ〜…そろそろ壊れてもいいんじゃない?」
('A`)「残念だが、サイボーグなんでね…簡単には死なねえな」
(*゚∀゚)「アヒャ? あんたも未来から来たの? 何で? 誰が?」
('A`)「答える必要は無いな」
フラフラと立ち上がったドクオが、言い放つ。
打ち付けられた際に顔面を削られ、頬の部分の機械が更に露出している。
それを気にする様子も無く、ドクオは股間に手を伸ばす。
('A`)「お前に俺を殺せるか?」
ドクオは、股間に入れた手を徐々に引き抜きながら、嘲笑する。
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャ、さすがにサイボーグでも頭潰せば壊れるでしょ?」
嘲笑に対し、こちらは哄笑で応じる。
('A`)「――暴風の刃、ルドラ」
ポツリ、とドクオは呟く。
ただの戯れとも言えるその言葉に、つーが反応した。
(*゚∀゚)「…何で知ってるの?」
スッ、と彼女の目が細められる。
探りを入れる様に、ドクオの目を覗き込む。
- 199: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/10(土) 00:42 cjrg2NKCO
('A`)「風を操る宝具。お前が持っている、ソレだ」
引き抜いた物で、つーを指す。
彼が取り出した物は、バイブだ。
バイブだ。
バイブ。
(*゚∀゚)「……………」
今度は何も言わず、短剣を振る。
風はカマイタチとなり、ドクオに牙を剥く。
('A`)「今度は違うぞ」
迫る風の刃に向けて、バイブを一閃する。
(*゚∀゚)「嘘!?」
ドクオのバイブは、迫る風を吹き散らした。
生々しく光るバイブを手に、ドクオは歩き出す。
('A`)「言った筈だ。ただのバイブと思うな、ってな」
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャッ!!! 面白くなってきたじゃん! あんた訳分かんないけど面白いよ!」
ドクオに向け、短剣を振るい刃を走らせる。
飛来する刃を、バイブの一閃で散らしながらドクオは進む。
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ!!!」
刃が効かぬと分かり、両手を翼の様に広げ。
(*゚∀゚)「これならどうだろうねぇ!」
腕を交差させ一気に閉じる。
風は刃を重ね続け、吹き荒れ、小さな竜巻と化した。
周りの物質を噛み砕きながら、竜巻はドクオに襲い掛る。
- 200: 200げと◆sEiA3Q16Vo :03/10(土) 00:43 cjrg2NKCO
巻き込まれれば、間違いなく刷り潰される威力を持つ竜巻。
('A`)「……………」
唸り声を上げ。
迫り。
噛み砕かんとする。
その破壊の風の中へ。
ドクオは飛び込んだ。
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャッ!!! いくらサイボーグでも無理――」
刃の壁を撃ち抜き。
右手に握った桜色の肉棒を模した一物。
槍の様に、ただ一点。
つーに向けて突き出す。
(*゚∀゚)「――――ッ!!!」
二振りの短剣を重ね、それを受け止め。
一筋の汗が伝いながらも、防いだ事により口元には笑みが浮かぶ。
だが。
('A`)「終りだ」
ドクオは、バイブのスイッチを入れた。
バイブは振動――いや、激震し。
つーが持つ短剣を、砕いた。
〜第九話・完〜
( ^ω^)右手より気持いいお!
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