右手よりは気持ちいいよ
- 205: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/10(土) 18:04 cjrg2NKCO
他人を理解できるか。
他人は理解できない。
己は理解されるか。
己は理解されない。
それは苦痛か。
それが苦痛だ。
理解とは苦痛だ。
痛み。
痛みは必要無い。
理解も必要無い。
そして。
己以外の全てを否定しよう。
〜第十話・俺がアイツでアイツが俺で。いや、よく考えろ、それならオパーイ揉み放題じゃね?うはwwwおkwwww〜
- 206: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/10(土) 18:06 cjrg2NKCO
( )「……………」
男は、見下ろしていた。
ビルの屋上から、己の眼下をせわしなく駆け回る雑踏を。
職務に追われるサラリーマン。
和やかに友人と語り合う学生。
道路の脇にうずくまるホームレス。
道端に座り込み、煙草を吹かす若者。
爆音を響かせ、道路を疾走するバイク。
途切れない車の列に、横断歩道を渡れない老婆。
男が見下ろすのは、社会。
そして、人類。
『ほっほっほっ……懐かしいかの?』
唐突に、男の背中に声が掛る。
男は答えもせず、振り返る事もない。
コンクリートの地面が波打ち、そこから老人が生えてくる。
/;3 「何か面白い物でも見えるかのう?」
両手を腰の後ろに回し、老人――荒巻が男に近付く。
男は黙って向かいのマンションを指差す。
荒巻はそれに合わせてマンションへと目をやる。
/;3 「ふむ……」
荒巻が眉間に皺を寄せ、目を鋭く細める。
老いてなお鋭さを増す、鷹の眼光。
その先には。
/;3 「……シルク60%、フリフリのレース付き……カップはDと見た」
( )「甘いな、化粧の落ち具合いから恐らく合コン後の朝帰りと見た。外見は少し大人び、その実中身は清純派というギャップを狙った勝負下着」
- 235: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/11(日) 18:31 5eaH3Z7HO
体はバイブで出来ている
血潮はローション 心はオナホ
独りの人生を越えて全敗
ただの一度の挿入も無く
ただの一度も理解されない
彼の者は常に独り
バイブの丘で快楽に酔う
故に生涯に意味は無く
その体はきっとバイブで出来ていた
('A`)『ティッシュの準備は十分か? 童貞王』
- 236: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/11(日) 18:32 5eaH3Z7HO
(*゚∀゚)「…………アヒャ?」
冷たい水滴がつーの顔をつつき、その目を醒まさせる。
廃工場の天井は崩壊し、吹き抜けになっていた。
その晒された穴から、雨が降り注ぎ彼女の顔を打つ。
(*゚∀゚)「あ〜あ……負けちゃっ――フグオァ!!!」
立ち上がろうと、上半身を起こそうとする彼女の全身に、痺れにも似た激痛が走る。
('A`)ノ「よぉ、目が醒めたか」
片手を上げたドクオが、彼女を上から覗き込む。
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ…痛くて動けないや…」
観念したと言わんばかりに、両手を広げ地面に倒れ込む。
('A`)「痺れは残るが、しばらくすりゃあ治る」
言いながらドクオは、つーの両脇に手を差し込み、持ち上げる。
(*゚∀゚)「あだだだだだ! ちょっ、何すんの!」
('A`)「雨晒しにゃできねえだろうが」
(*゚∀゚)「あ〜う〜……」
('A`)「よっこらセックス」
(*゚∀゚)「……………」
無事な機材に、もたれかからせる様に座らせたドクオの掛け声に、つーのこめかみから冷や汗が垂れる。
('A`)「しばらくすりゃあ、お前さんのお仲間が助けに来るだろ」
全身に張り付いた埃を叩きながらドクオが言う。
何気無い問いかけに、つーの表情に僅かに陰が差す。
- 237: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/11(日) 18:33 5eaH3Z7HO
(*゚∀゚)「アヒャヒャ…多分無理だね〜。隊長は厳しいから見捨てられるのがオチだよ」
諦めきった顔で、開いた天井から空を望む。
雨足を強めた空は、灰色の戸張を下ろしている。
('A`)「……………」
(*゚∀゚)「アヒャヒャ……いっその事殺しなよ。どうせ捨てた命だからさ。内藤ホライゾンを殺せなかったなら意味無いよ」
('A`)「……………」
乾いた笑いを漏らすつーを、ドクオは無表情に見つめる。
数秒の間を置き。
('A`)「…………マンドクセ」
つーの腕を握り、立ち上がらせる。
(*゚∀゚)「アヒャ?」
そのまま腕を首にかけ、引きずる様につーの体を運んでいく。
(*゚∀゚)「アヒャヒャ、同情した? 何やってんの? 敵だよ、アタシは」
('A`)「………マンドクセ」
驚きの表情を浮かべるつーに、ドクオは同じ言葉を返す。
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ!!! 馬鹿だねぇ〜…本当に馬鹿だよ…アヒャヒャヒャヒャ…」
('A`)「……マンドクセ」
笑いながら引きずられるつーの目尻には、僅かに煌めく物があった。
それは、降り注ぐ雨ではないのは、確かな事だった。
(*'A`)(脇腹にオッパイが…うはwwwおkwwww役得役得)
- 256: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/12(月) 19:11 9cOL8UviO
ξ゚听)ξ「……雨ね……」
( ^ω^)「もうすぐ僕の家に着くお! とりあえず雨宿りしに行くお!」
雨が降り始めた路上を駆ける二人を、道行く人々が見る。
片や、衣服を血で染めたピザ。
片や、衣服をぼろぼろにしたツインテール。
とても一般人とは思えない二人を、通行人は驚きながらも特に何かをするわけでは無かった。
現代人の、他人への無関心さが二人には幸いした。
しかし、他人の目線からは逃れられても、降り注ぐ雨からはそうもいかない。
次第に強まる雨に、二人の足は自然に早まった。
( ^ω^)(雨宿り…濡れた服…互いを暖める為に二人は裸になりくんずほぐれずでうはwwwおkwwww)
ξ゚听)ξ「? 何か言ったかしら?」
( ^ω^)「きょうはいいてんきですおね」
ξ゚听)ξ「?」
不穏な動きを始めた内藤を、ツンは怪訝な目で見る。
(*^ω^)「何でもないお。早く行くお」
持ち上がる股間が気付かれぬよう、内藤は足早に駆け出した。
〜数分後〜
( ^ω^)「カーチャンにお風呂沸かして貰うから、ちょっと待っててほしいお」
内藤の自宅に着いた時には、二人は全身濡れネズミの状態だった。
ξ゚听)ξ「えぇ、分かったわ……ありがとう」
(*^ω^)「おっおっおっ、全然構わないお」(お風呂フラグktkr!!!)
内藤は、乾いたバスタオルをツンに渡し、奥へと進んでいく。
( ^ω^)「ただいまだお〜。カーチャン、お風呂沸かしてほしいお」
ポタポタと水滴を垂らす内藤が母親を呼びながらリビングに入る。
彼を出迎えたのは。
川 ゚ー゚)「やぁ、おかえり」
- 260: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/13(火) 10:59 Lsn6dYQDO
( ω )「……………」
川 ゚ー゚)「すまないが、勝手に頂いているよ」
そう言ってソファーに腰掛けたクーは、手に持つカップを一口すする。
( ω )「……カーチャンは?」
川 ゚ー゚)「はて、何の事かな?」
静かな、絞り出す様な声で内藤は問う。
それに対して、クーはとぼける様に片眉を上げた。
(#゚ω゚)「カーチャンを何処にやったかって聞いてんだおぉっ! 答えろ! カーチャンを何処にやった!」
叫ぶ内藤が、拳を握りながらクーへと駆け寄る。
相手が女性であっても関係無い。自分の母親の行方を詰問しようと詰め寄ろうとした。
だが。
川 ゚‐゚)「ミルナ」
( ゚д゚)「……………」
クーの一言。
彼女の真横の空間が、グニャリと歪み、全身に張り付く様な真っ黒の衣服に身を包んだ男――ミルナが現れる。
男の右手が内藤に向けられ、それは打ち出される様に伸びる。
うねりながら伸びた腕が、内藤の首を掴み、彼の突進を止める。
(;゚ω゚)「か……は……」
同時に呼吸も止められ、内藤の目が見開かれる。
( ゚д゚)「グ…ウウ…」
その様子を見て、ミルナの口の両端が吊り上げられる。
川 ゚‐゚)「内藤ホライゾン、貴様の母親は無事だ。しばらくすれば解放しよう。しかし貴様が抵抗すれば……」
- 261: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/13(火) 11:00 Lsn6dYQDO
腰掛けたまま、徐々に持ち上げられる内藤の姿を見ながらか、クーは淡々と語りかける。
(;゚ω゚)「お…ご……がぁ…」
内藤の耳にはその言葉が聞こえていないのか、足をバタつかせる。
しかし、ミルナの腕が長すぎる為に、その足が届く事は無い。
彼の顔は真っ赤になり、目は充血している。
酸素が無くなり、思考も鈍っていく。
川 ゚‐゚)「ふむ…聞こえてないか。ミルナ、もういい……殺せ」
( ゚д゚)「リョウ…カイ」
ミルナの腕に力が込められ、内藤の頸骨がミシリと悲鳴を上げ――
ξ゚听)ξ「内藤おおおぉぉぉぉっ!!!」
銃弾がリビングのドアを砕き、ツンが飛込む。
そのまま銃を構え、何度も引き金を引く。
川 ゚‐゚)「ツン…」
クーは背もたれに強く体を預け、そのままの勢いで背もたれに手を置き、バク転の要領でソファーの後ろに降り立つ。
クーが飛び退いたソファーに幾つもの銃弾が突き刺さり、中の緩衝材を周りに撒き散らす。
(;゚д゚)「グ…ウウ…」
ソファーの破壊と同時に、銃弾はミルナにも襲いかかる。
ミルナは内藤の体を手放し、後ろに飛び退る。
( ゚ω゚)「オブッ!」
床に叩き付けられた内藤は、痛みを気にせず存分に肺に酸素を送り込む。
- 262: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/13(火) 11:01 Lsn6dYQDO
ξ;゚听)ξ「内藤! 大丈夫!?」
銃口を、クーとミルナに向けたまま、ツンは内藤に駆け寄る。
(;^ω^)「た、助かったお…」
酸素不足でフラつく体を叱咤し、内藤は立ち上がる。
川 ゚‐゚)「ふん、助かったは良いが……代わりに貴様の母親が死ぬ事になるな」
ξ;゚听)ξ「た、隊長! それは……」
川 ゚‐゚)「極力一般人は巻き込みたくはなかったが…仕方の無い事だ」
クーは帯びた二振りの刀に手をかけ、腰を落とし抜刀の体勢に入る。
川 ゚‐゚)「歴史は変わるが、大事の前の小事だ」
ξ;゚听)ξ「な、なんですって!」
川 ゚ー゚)「そう言う事だ。内藤ホライゾン、おとなしく死ね」
――ってみろ――
川 ゚‐゚)「何?」
(#゚ω゚)「殺れるモンなら殺ってみやがれって言ったんだよ! 聞こえねぇのか!」
内藤の咆喉が、周りを震わせる。
(#゚ω゚)「カーチャンを殺したらお前も殺してやる! 何もかも! 細胞の一片さえ残さずバラバラにぃっ!」
川;゚‐゚)「な……」
その叫びに、クーの足が一歩後ろに下がる。
ξ;゚听)ξ「な、内藤……?」
ツンも同様に、銃口を向ける事すら忘れ内藤と距離を置く。
川;゚‐゚)「……ミルナ、始末しろ。ツン共々な」
( ゚д゚)「リョウ…カイ…」
そう言い残し、クーは庭に通じる窓を破り、消えていった。
( ゚ω゚)「来い…お前からバラバラにしてやるよ…」
( ゚д゚)「オオォオオオォォォッ!!!」
地面を擦るようにはいつくばったミルナは、全身のバネを使い、内藤へ飛び掛った。
- 269: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/13(火) 17:21 Lsn6dYQDO
( ゚д゚)「ガアァアアッ!」
飛び上がりつつ、ミルナは再び腕を振るい内藤の首へと伸ばす。
( ゚ω゚)「攻撃がワンパターンなんだよっ!」
伸びてくる腕を掴み、突き出された勢いを使い、後ろに投げる。
背負い投げの要領で、そのままミルナはテーブルに叩き付けられ、テーブルを二つに割る。
( ゚д゚)「―――ッ!!!」
ミルナは背中から全身に這上がる激痛と、衝撃によって声無き絶叫を上げる。
まさか肥満体の人間に、自分が投げられるとは思わなかった。
予想外の事態に、ミルナの頭は混乱していく。
( ゚ω゚)「おい」
内藤の呼び掛けに、思わずビクリと体が萎縮する。
テーブルの残骸を押し退け、身を起こそうとし、内藤に目を向けて絶句した。
自分の目の前にいたのは、肥満体の柔和な顔をした少年の筈だった。
しかし、今、その少年は何処にもいなかった。
服の上からも分かる突き出た腹は、その姿を謙虚にし、腕と脚に付いた肉は、いつの間にか引き絞られた筋肉に変わっていた。
そして、笑みを浮かべていた顔は。
怒り。
激怒。
憤怒。
彼の全身から吹き上がる怒気が、室内を嵐の様に駆け回っていた。
- 270: 作者?◆sEiA3Q16Vo :03/13(火) 17:24 Lsn6dYQDO
( ゚ω゚)「カーチャンは、何処だ」
( ゚д゚)「グ…ウウ……」
内藤が、一歩踏み出す。
それに合わせて、ミルナはズルズルと後ろに下がる。
( ゚ω゚)「答えろ」
バキリ、とテーブルの残骸を踏み砕き、また一歩踏み出す。
( ゚д゚)「オレ…メイレイ、オマエ…コロス…シラナイ…」
首を何度も横に振り、更にズルズルと下がっていく。
内藤の豹変に、驚愕。
そして恐怖していた。
( ^ω^)「そうか、知らないか」
( ゚ω゚)『じゃあ、死ねよ』
拳を振り上げ、ミルナの頭部へと振り下ろした。
〜第十話・完〜
( ^ω^)右手より気持ちいいお!
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