右手よりは気持ちいいよ
- 376: ◆sEiA3Q16Vo :03/19(月) 21:22 RW9YAOPbO
――冷たい。
全てが冷たい。
身も、心も、流れる血潮も全てが冷たい。
暖かさはいつ忘れたのだろう。
それさえ忘れてしまった。
ただ、あるのは冷たさだけだ。
誰か私を暖めてほしい。
一時の僅かな時間でも構わない。
私を暖めてほしい。
凍てついた私を解き放ってほしい。
誰か。
私を暖めて。
〜第十三話・義妹って設定は都合が良い、そしてそれが良い、でも現実って残酷〜
- 377: ◆sEiA3Q16Vo :03/19(月) 21:23 RW9YAOPbO
(*゚∀゚)「んまぁあ〜い!」
ミ ゚Д゚彡「いい食いっぷりだなゴルァ! よっしゃ、今日は俺の奢りだゴルァ!」
(*゚∀゚)「マジで!? ありがと、おっちゃん!」
('A`)「すみません、店ちミ ゚Д゚彡「お前は払えよゴルァ」
('A`)「……………」
――その日のチクワは、何故かとてもしょっぱかったです。
ドクオ、後日談。
('A`)「……店長、そういえばこんなピザ( ^ω^)とこんな女ξ゚听)ξ見ませんでした?」
つくねを頬張るつーを尻目に、ドクオは二枚の似顔絵を店長らしき店長に見せる。
ミ ゚Д゚彡「ん? こいつらは……」
店長らしき店長は顎に手をやり、髭を撫でる。
眉間に皺を寄せ、少し考え込んだ後に手をポンと叩く。
ミ ゚Д゚彡「おぉ! 思い出したぞゴルァ!」
('A`)「本当ですか!」
(*゚∀゚)「んまぁあ〜い」
ミ ゚Д゚彡「この二人なら、少し前にそこに入って行ったぞゴルァ」
店長らしき店長が指差したその先には、ラブホ。
愛の営まれる場所。
そう、ラブホだ。
┌──
('A`) │HOTEL
┌──
( 'A`) │HOTEL
┌──
('A`) │HOTEL
- 378: ◆sEiA3Q16Vo :03/19(月) 21:25 RW9YAOPbO
('A`)「さて、死ぬか……え〜っとロープが確かここに……」
おもむろにドクオが股間をまさぐり始める。
(*゚∀゚)「……………」
ちくわに噛みついていたつーは、それをコッソリ覗きこむ。
一度覗き。
ちくわに視線を戻し。
もう一度覗き。
もう一度ちくわに視線を戻す。
(*゚∀゚)「……………」
軽く赤面し頭をポリポリと掻いた後、つーは再びちくわぶにかじり付いた。
ミ ゚Д゚彡「……兄ちゃん、世の中には受け入れなきゃならねぇ事もあるんだぜゴルァ」
('A`)「…店長…うっ…俺は…」
ミ ゚Д゚彡「……まぁ飲みな……」
(;A;)「ありがとうございます……店長……」
店長らしき店長が、グラスと一升瓶を取り出し、酒を注ぐ。
目元を擦るドクオにグラスを渡し、自分もグラスに注いだ。
酒のほのかな甘い香りが漂い、男達は互いのグラスを打ち付ける。
(*゚∀゚)「……これが男の友情か〜……」
そんな二人を眺めながら、つーは昆布巻きに手を伸ばすのだった。
- 390: ◆sEiA3Q16Vo :03/20(火) 21:01 B9MLpJeIO
ビジネスホテルの一室。
そこから女性の怒声が聞こえてきた。
川#゚‐゚)「どういう事だ荒巻!」
テーブルにクーの拳が打ち付けられ、調度品の花瓶が僅かに跳ねる。
明確な怒りを込めて睨み付けられた荒巻はたじろぐ様子も無く、体を揺らす。
/;3 「ほっほっほっ、予想外なのは儂も同じじゃよ。どうやら未来から来訪した内藤ホライゾンが影響した様じゃ」
川#゚‐゚)「ふざけるな!」
再び拳がテーブルを叩く。
先程よりも強い衝撃により、花瓶は倒れる。
花瓶から溢れていく水を眺めながら荒巻は口を開く。
/;3 「この水と同じじゃよ。溢れた水は花瓶には戻らんよ」
川 ゚‐゚)「その花瓶が倒れない為に、我々はこの時代に来た筈だ」
いくばくかの冷静さを取り戻し、クーは倒れた花瓶を立て直す。
/;3 「既に花瓶は一度倒れた。戻す事は叶わんよ」
川 ゚‐゚)「……分かっている」
荒巻の言葉に、クーは唇を噛み締め花瓶を掴む。
水道に運び、蛇口を捻った所で唐突に扉が開く。
( ><)「ただいまなんです」
扉を開いたビロードの両手には、買い物袋が握られていた。
- 391: ◆sEiA3Q16Vo :03/20(火) 21:02 B9MLpJeIO
川 ゚‐゚)「ご苦労だったな、ビロード。釣りは取っておけ」
( ><)「ありがとうなんです!」
テーブルを拭き、花瓶を立て直したクーがビロードから買い物袋を受け取る。
川 ゚‐゚)「すまないな、こんな食事しか出来なくて」
( ><)「任務なんです、仕方ないんです!」
申し訳ないと言った様子で、クーはテーブルに食糧を並べていく。
( ><)「クックル、こっちに来るんです!」
先程から窓の前に立ち続け、眼下に広がる通りを眺めていたクックルが、一度だけ窓を振り返るとテーブルの前に立つ。
( ><)「とりあえず食べるんです!」
ビロードの言葉をはじめとし、ささやかな食事が行われた。
/;3 「儂が頼んだ『ムッチリ☆女子高生淫乱紀行』は?」
( ><)「ジジイはジャンクフードでも食べて死ねばいいんです」
そう、ささやかな食事だ。
- 394: ◆sEiA3Q16Vo :03/21(水) 10:36 jEDAhG26O
――夜の繁華街。
そこは昼間とはまた違った賑わいを見せる。
昼間は、路上に落ちたゴミや眠るホームレス。
世の中の汚れた部分が目につく。
しかし、太陽の下では根拠の無い安心感が生まれる。
その為に昼間は、他愛のない賑わいが広がっている。
しかし、汚れが見えなくなる日没の後。
暴力、金、快楽。
月に照らされるそこは、世の塵芥が満ちる場所。
喧騒と雑踏が飽和し、人々の目には剣呑な光が宿っている。
そして、その剣呑な光すら飲み込む悪意の塊が街を通って行く。
(・W)「……………」
ゴミをあさるホームレス。
乳房を露出し、道行く者を誘惑する遊女。
サラリーマンを店に連れ込もうとするチンピラ。
悪意の塊が通る時、彼等の体はいいしれぬ寒気に襲われる。
『やめて! 離してよ!』
悪意の歩みが止まる。
路地裏の暗がりから聞こえる悲鳴と、複数の男の怒声。
悪意の歩みは、暗がりに向けられる。
(・W)「……………」
その表情からは、感情の色は伺えない。
だが、瞳に宿る悪意は、更にその色を強くした。
- 395: ◆sEiA3Q16Vo :03/21(水) 10:37 jEDAhG26O
ζ;・勍)ζ「離して! 離してってばぁ!」
Ω「おとなしくしやがれ!」
(・W)(これは……)
目の前の光景に、ノイズが走る。
砂嵐の様に、記憶が混雑する。
初めて見る光景。
だが、自分は知っている。
知って いる。
(・W)「おい」
気が付けば内藤の口から、制止の声が滑り出していた。
内心舌打ちするが既に遅かった。
Ω「んだとコラ、てめぇ今何つった?」
少女に掴みかかっていたチンピラが振り向く。
Ω「オラ、オッサンに用はねえんだ。さっさと消えな」
Ω「痛ぇ目見んぞコラ」
掴みかかっていた男の後ろで、それを見ていた二人のチンピラが内藤に近付く。
二人の手には、ナイフが握られている。
ζ;;)ζ「た、助けて……」
少女が、助けを求める様に涙を流す。
再び、ノイズが走る。
Ω「何とか言えよコラ――」
チンピラが、ナイフを内藤に近付けた瞬間。
内藤は右手でナイフを握り潰した。
チンピラの手と一緒に。
グチャリと肉が弾ける嫌な音が響く。
チンピラ達は、呆然とその様子を眺めている。
Ω「ひ、ヒャアアァアアアアッ!!! 手が、お、俺の手、ててて手がぁあっ!」
噴き出す鮮血と全身に慢延する痛みに、チンピラは地面をのたうち回り、嘔吐する。
- 396: ◆sEiA3Q16Vo :03/21(水) 16:31 jEDAhG26O
Ω「テメェ! やりや(・W)「うるさい」
のたうち回る仲間から、内藤に視線を戻したチンピラの胸を内藤は軽く突いた。
Ω「ア゛」
チンピラは吹き飛び、近くのビールケースを粉砕すると、それきり動かなくなる。
Ω「あぐ…手ぇ! 俺のて――」
内藤が無言でチンピラの首を踏み付ける。
ボキン、と首が音を立て、チンピラは静かになる。
Ω「ひ、ヒィイイィィィッ!!!」
少女を掴む手を離し、恥も外聞も無くチンピラは逃げ出した。
ζ;・勍)ζ「あ、あ……」
目の前で繰り広げられた光景に、声を上げる事すら忘れ少女は立ち尽くす。
(・W)「……怪我は無いか」
――自分は何を言っている。
思わず口を突いて出た言葉に、内藤は狼狽する。
ζ;・勍)ζ「あ…えぇ…」
同様に狼狽する少女が、鈍った頭で返事をする。
(・W)「……じゃあな」
長居は無用とばかりに、内藤は踵を返す。
ζ;・勍)ζ「ま、待って!」
ノイズが更に大きくなる。
少女の一言一言、一挙一足全ての動きがノイズを広げていく。
ζ・勍)ζ「……ありがとう、助けてくれて」
――自分でも分からない。
内藤は、目の前の少女を抱き締めていた。
- 397: ◆sEiA3Q16Vo :03/21(水) 16:32 jEDAhG26O
ζ;・勍)ζ「え、ちょっ…何?」
突然の抱擁に、少女はたじろぐ。
不思議と不快感は無かった。
少女は内藤の目を覗き込む。
ζ・勍)ζ「……泣いてるの?」
男の手が自分の体に触れている。
暖かさを求める様に。
ζ・勍)ζ「貴方は……誰?」
少女は抵抗しない。
そして、男の首に手を回す。
僅かに、二人の唇が触れる。
そして、更に深く唇を重ね合わせる。
互いの舌が絡み合い熱い体液の交錯が行われる。
内藤の手は少女のうなじに添えられ、舌が唇から首筋に動いていく。
熱い舌と吐息が当てられ、少女の足が震え崩れ落ちようとする。
内藤の腕はなおも強く少女の体を抱き締め、支える。
やがて首筋に舌を這わせながら、左手を衣服の下に滑り込ませる。
一瞬、少女の体が跳ねる様に動くが直ぐに腕に力を込める。
胸の膨らみに近付くに連れて、少女の吐息は浅く短くなり、心臓の鼓動は強く大きくなる。
ζ///)ζ「―――っ」
内藤の手は乳房を包み込む様に、ゆっくりと動かされ衣服の中を這い回る。
ζ///)ζ「は……ぁ…」
少女の口から、細く熱い喘ぎがまろび出る。
- 398: ◆sEiA3Q16Vo :03/21(水) 16:34 jEDAhG26O
始めはゆっくりと、柔らかだった手の動きはやがて強く、激しさを増して乳房を強く揉みしだく。
ζ///)ζ「っ! はぁ…っ…んっ…」
その動きに合わせ、少女の体は内藤の腕の中で大きく飛び跳ねる。
そして、内藤の指がある一点に触れた時、少女に襲いかかる快楽は一層強まる。
ζ///)ζ「ふ……あぁ…ぅ…」
指先で摘み、押し込み、転がす。
押し寄せる快楽の波に、焦燥した声で少女は震える。
止まる事は無く。
二匹の獣は互いの体をむさぼる様に求め合う。
少女の喘ぎは途切れる事が無く。
何度も何度も求め合った。
内藤の体も狂った様に猛り、性の赴くままに少女の体に子種を注ぎ込む。
何度も何度も。
夜の街で、淫惨な欲望に取り憑かれた獣の咆喉が響き渡った。
- 406: ◆sEiA3Q16Vo :03/22(木) 09:45 b32N9ARAO
(・W)「……………」
――何を考えている。
押し寄せた激情の波が過ぎ去った後、内藤は再び自問した。
ノイズはまだ収まらない。
ζ・勍)ζ「ねぇ……」
衣服を整えた少女が、内藤に問掛ける。こちらも、内藤と同様に困惑した表情を浮かべている。
(・W)「何だ?」
ζ・勍)ζ「貴方は……誰?」
何気無い問い。
その問掛けに内藤は狼狽する。
(・W)「……俺は、誰でもない……」
ζ・ー・)ζ「……変な人」
ようやく口を突いて出た答えに、少女は少し微笑んだ。
その微笑みが、走るノイズを僅かに大きくし、記憶の中身を掻き回す。
(・W)「じゃあな、俺はもう行く」
その微笑から逃げる様に、内藤は顔を背ける。
上着を翻し数歩進んだ所で、止まる。
(・W)「お前の名前は?」
ζ・勍)ζ「私?」
突然、首だけ振り返った内藤の言葉に少女は少し思案し、笑みを浮かべながら内藤を見る。
ζ・ー・)ζ「……内緒」
唇の前に人指し指を当て、いたずらめいた顔をする。
(・W)「……そうか」
一瞬、呆れた表情を浮かべた後、内藤は苦笑する。
そのまま振り返る事も無く、彼は薄暗がりの中に消えていった。
- 407: ◆sEiA3Q16Vo :03/22(木) 09:46 b32N9ARAO
『内藤や……』
(・W)「……荒巻か」
暗い路地の中を歩く内藤の耳元で囁く声がする。しかし、彼の周囲には老人の姿は見当たらない。
(・W)「直接会って話せ、テレパシーなど面倒だ」
『隊長殿の目が厳しくてのぅ、儂も動けんのじゃよ』
荒巻の声を振り切ろうとする内藤に、慌てた様子で弁解の言葉が掛けられる。
『で、お前さんは何をしておるんじゃ?』
(・W)「女を拾って食った」
『……えぇのう……儂なんかエロ本も買えんというのに……』
(・W)「ジャンクフードでも食って死ね」
耳元から聞こえる老人の嗚咽を振り払う様に、内藤は歩みを速めようとする。
『分かっておるのか? この時代の者と交われば……』
(・W)「知るか。俺の餓鬼が出来ればそれはそれで面白い」
『笑い事ではないわ馬鹿タレが! 自重せんか!』
(・W)「……分かっている」
いつの間にか、内藤は歩みを止めていた。
目を細め、空を眺める。
ビルの隙間から覗く空は、灰色の雲で覆われていた。
(・W)「……なぁ荒巻」
『なんじゃ?』
(・W)「俺は……誰だ?」
『……何を言っとる。お前は内藤ホライゾン……』
『儂の自慢の息子じゃよ』
- 416: ◆sEiA3Q16Vo :03/22(木) 23:52 b32N9ARAO
( ><)「隊長」
川 ゚‐゚)「どうした?」
( ><)「荒巻がブツブツとうるさいんです」
ビロードが指差した方にクーは顔を向ける。その先には、ロッキングチェアに座ったまま壁を凝視する荒巻の姿があった。
壁を見ながら、口元が何度も開閉しあたかも誰かと会話をしている様だった。
川 ゚‐゚)「遂に呆けたか?」
( ><)「エロ本を買って貰えないとか、自慢の息子とか言ってたんです」
川 ゚‐゚)「皺だらけで自慢もクソもないな、あのジジイ」
( ><)「昨日も繁華街に出向いたそうなんです」
川 ゚‐゚)「エロ本でも買ってやるか」
( ><)「おとなしくさせるにはそれが一番なんです」
いまだに壁に向かって語り続ける荒巻に、二人は同情の視線を向ける。
川 ゚‐゚)「クックル、買い物を頼む。『淫乱JK☆禁断の課外授業』、だ」
( ゚∋゚)「……………」
外を眺める大男は、一度だけ頷くとその巨体を椅子から持ち上げる。
( ><)「クックル、ティッシュとこんにゃくも頼むんです!」
ビロードの言葉にもう一度頷くと、クックルは部屋を出て行った。
川 ゚‐゚)「ビロード、そんな物何に使うんだ?」
( ><)「ナニなんです」
川 ゚‐゚)「……………」
ズギュルルルルルルゥイィバウァアアアッー――――――――!!!
- 418: ◆sEiA3Q16Vo :03/24(土) 00:42 4t1Rm7sSO
(*'A`)「……で俺は言ってやったんだよ。『ダディクール』ってな」
ミ*゚Д゚彡「中々やるじゃねえか、見直したぞゴルァ」
男たちの酒宴は続いていた。
(*゚∀゚)(男って馬鹿なんだな〜)
そんな二人を、頬杖を突きながらつーは眺めている。
腹も満ち、そろそろ眠気が忍び寄って来た為、ドクオに声を掛けようと立ち上がった時だった。
屋台の後ろ、そこには木々の生い茂った公園が見える。その公園は街灯の数も少なく、中の様子は伺い知れない。
しかし、その数少ない街灯の下。僅かな光の中に、一人の少女が立っていた。
思わず眺めていると、こちらに気付いたのかその少女はつーに微笑みかける。
(*゚ー゚)
(*゚∀゚)「…………アヒャ?」
ふと、隣のドクオに目を向ける。しかし、店長らしき店長との語らいに夢中で気付いた様子は無い。
(*゚∀゚)(んー………)
軽い好奇心が首を持ち上げ、つーはソッと席を立つと公園へと歩きだす。
暗闇が広がる公園に足を踏み入れ、軽い足取りで少女に近付いていく。
白い街灯に照らされた少女はどことなく儚げで、今にも消えてしまいそうだった。
- 419: ◆sEiA3Q16Vo :03/24(土) 00:43 4t1Rm7sSO
(*゚∀゚)「どしたの、こんな所で?」
軽く右手を上げ、努めて明るい調子でつーは語り掛ける。
少女は答えず、街灯に背を預けたまま微笑を浮かべる。
(*゚∀゚)「……お嬢ちゃん、アイツの知り合い?」
下ろすに下ろせなくなった右手を、そのまま伸ばしドクオを指す。
ドクオは何故か椅子の上でランダバを踊っていた。
(*゚ー゚)「妹」
(*゚∀゚)「…………アヒャ?」
(*゚ー゚)「私はあの人の妹なの」
(*゚∀゚)「……………」
ホンワホンワホンワ オニーチャン!
(*゚∀゚)。οΟJ('A`)し
(*゚∀゚)「アヒャ…………」
(*゚ー゚)「……何か失礼な想像してません?」
軽い目眩を覚えたつーは、少女の言葉にギクリとする。
こめかみから伝う汗を誤魔化す様に、頬をポリポリと掻きながら必死に視線を外そうとする。
(*゚ー゚)「……貴方の名前は?」
(*゚∀゚)「アヒャ? ……アタシ、つー」
ギクシャクとした動きで答えると、つーは乾いた笑いを上げる。
(*゚ー゚)「……では、つーさん。貴方にお願いがあります」
(*゚∀゚)「アヒャ?」
(*゚ー゚)「……兄を……お願いしますね」
(*゚∀゚)「いや、無理」
二人の間に、乾いた風が通り過ぎていった。
- 421: ◆sEiA3Q16Vo :03/24(土) 00:46 4t1Rm7sSO
(*゚∀゚)「だって変態だもん」
嫌だ。
口を尖らせるつーの顔には、明らかにそう書いてあった。
(*゚∀゚)「童貞だし、変態だし、バイブ使うし」
(*゚ー゚)「……………」
今度は、少女がこめかみを押さえながらフラつく。
(*゚∀゚)「………でもね〜」
尖らせていた口を戻し、両手を後ろに回す。
視線を地面に落とし、はにかみながらつーは。
(*゚∀゚)「……ちょっとだけ……優しいかな……」
片足を立て、軽く地面を爪先でつつきながらそう言った。
口元に、少しだけ笑みの色が浮かべて。
(*゚ー゚)「……そうですか」
(*゚∀゚)「ん……ちょっとだけ優しい……かな」
そんな様子のつーを眺めながら、少女はまた微笑んだ。その顔は、とても満足気な、眩しい物を見るような憧憬の笑顔だった。
(*゚ー゚)「じゃあ、つーさん」
『兄さんを…お願いします』
その言葉に、つーは慌てて顔を上げるが、少女の姿は何処にも見当たらなかった。
まるで、初めから居なかったかの様に、少女が居たという感覚が消え去っていた。
(*゚∀゚)「………アヒャ?」
少女が消えた公園で、つーは一人、首を傾げるのだった。
〜第十三話・完〜
( ^ω^)右手より気持ちいいお!
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