右手よりは気持ちいいよ

485: ◆sEiA3Q16Vo :03/28(水) 08:31 G7rZ1KkuO


『寂滅のKUSOMISOテクニック』

作詞・作曲/ヒジキ業者


や、や、や、や、や〜らないか〜
あっ〜あ〜やらないか〜
うほっうほっやらないか〜

ある晴れた日のこと
我が家はハッテン場
兄貴と親父が
裸で抱き合う

ガチムチ兄貴が俺を見る
熱い瞳で俺を見る

『や ら な い か』

そんな兄貴は自動車整備工

毎日毎日スパンキング
(スパンキング!)

兄貴と親父がスパンキング
(スパンキング!)

何時も毎日イカ臭い
何時も毎日ボトルキープ
親父が俺を見つめてる

キメェ
何だその熱い眼差しは

親父は小指をくわえ

スパンキング

兄貴と親父が

スパンキング

や、や、や、や、や〜らないか〜
あっ〜あ〜やらないか〜
うほっうほっやらないか〜

や、や、や、や、や〜らないか〜
あっ〜あ〜やらないか〜
うほっうほっやらないか〜




〜第十五話・超越者〜



486: ◆sEiA3Q16Vo :03/28(水) 08:33 G7rZ1KkuO


(;^ω^)「……………」

内藤ホライゾンは葛藤していた。

苦悩していた。

憂慮していた。

布団を持ち上げ、性一杯自己主張するMy Sunをどうするか。

最近引き籠りから脱出。

(;^ω^)「……流石に一週間以上のオナ禁はこたえるお……」

激しく怒張し、脈動する性剣。

恐る恐る、ブーンは隆起する布団の先端をつつく。

(*゚ω゚)「あふぅん」

股間から腰に、腰から背中にかけてくすぐる様な快感が走る。

ξ--)ξ「ん…………」
ベッドの上で、ツンがやけに艶っぽい声を上げながら身じろぎする。

(;^ω^)(つーかこれ見られたら殺されるおね)

慌てて口を閉じ、ブーンは性剣から手を離した。












(*゚ω゚)(だ が そ れ が い い)

残念ながらブーンはM男でした。

この生きるか死ぬか。

デッド・オア・アライブの瀬戸際。
油断すれば殺される様なスリルに満ちた中での行為。

これを乗り越えればその先は未知なる桃源郷。

(*^ω^)「ミッション・スタートだお」

ブーンは、そう言って布団を跳ね退けた。



489: ◆sEiA3Q16Vo :03/28(水) 18:09 G7rZ1KkuO


戦士たる者、時には休息が必要だ。

( ^ω^)「と言う訳で、ツンにバレない様にオナヌー実況をしたいと思いますお」

ブーンの戦い。

エロゲとか、エロゲとか、エロゲとか、ひぐらしとか。
迫り来る睡魔を退けながらモニターに向かい、右手を股間にジャストナゥ。

……そう、苛烈な戦いだった。

一度、局部丸出しの状態で朝を迎え、母親に発見されるという事態に遭遇したブーンにはオナヌーキングの称号が与えられていた。

そして、今現在。

彼に課せられた任務。



『ドキッ☆ベッドの上には女の子! 頑張れ内藤 オナヌー珍道中・ラブホ編』



オスとして。

オナヌーマスターとして。

( ^ω^)「これは逃げられない戦いなんだぁ〜」

だぁ〜。

だぁ〜。

。〜ぁだ(ドップラー効果)


(*^ω^)「さぁ、やってやるお」

ブーンは、己の股間に手を伸ばした。



491: ◆sEiA3Q16Vo :03/28(水) 19:57 G7rZ1KkuO


オ〇ニー。

口に出すには憚られる言葉。

しかし、何処か甘美で魔性の魅力を持つ言葉。

そして、汚れなき無垢なる童貞を誘う言葉。

苦しみに打ちのめされた幼き者達を奮起させる神聖なる儀式。

大人の階段を登りシンデレラへとキャスト・オフ。



しかし、忘れてはならない。

オナ〇ーと呼ばれる儀式は、別の側面を持っていた。

それは古代インカ帝国の太陽神が民を守る代わりに、生贄の心臓を求める様に。

天を衝くバベルの頂上から放たれる一億の精なる子達は、無惨にもその儚き命を散らすのだ。

ティッシュという純白のヴェールに包まれ、一億の精なる子達は乾いた蛋白質の残骸と為り果てる。

産声を上げる事すら許されず、己のDNAを受け継ぎながら散ってゆく命の、何と儚き事か。



オナニ〇とは!



己の快楽の為だけではない!

一億の精なる子達をヴァルハラへと送り込む、神聖なる儀式なのだ!

脳内皮質が産み出す妄想と欲望の、その先に見える新たなる世界を開く事なのだ!

若者よ、奮い起て。

己の右手を信じ、大いなる世界を創造せよ。

そして、忘れるな。

己の行為は、数千億の精なる子達の屍の上に立っているのだと。



492: ◆sEiA3Q16Vo :03/28(水) 19:58 G7rZ1KkuO


――そう、この言葉に僕は全身を雷に撃たれた様な感銘を受けたんだお。

何気無く手に取った本。

それはまさに性書だったお。

……たしか著者は……そう。



――荒巻スカルチノフ。



何故か、胸の中を懐かしさにも似た感覚が走り抜けたお。










( ^ω^)「さて、始めるかお」

ブーンは股間に収納したオナホを取り出す。

股間に収納する事によって、人肌に温められたオナホは自然な感触を与えてくれる。

( ^ω^)「……解放されたエクス・カリ・バーの力……見せてもらうお」

既に右手と馴染み、一体化したと言えるオナホをしっかりと握り。

衣擦れの音すら立てない様に、慎重にズボンを脱いでいく。

一度、ツンの方を見て、眠っているのを確認する。

何度か深呼吸を行い、心臓の鼓動を落ち着ける。

(;^ω^)「いくお……」














ぬっ














(*゚ω゚)『ぐおぁあああああぁああおあああぁぁぁああアアア阿亜あああぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!』



495: ◆sEiA3Q16Vo :03/29(木) 09:53 4lM7iFCNO


(*゚ω゚)(こ…これは…次元が違う!)

津波の様に押し寄せる快感の奔流の中でも、いや、だからこそブーンの右手は動き続けた。

性剣が熱い。

心臓がそこに移動した錯覚さえ覚える。

(*^ω^)「オナホ万歳だお、これこそ新世界だおぉ!」








       (*^ω^)
      _(ヽηノ_
        ヽヽ
 
 ξ  )ξ
 _| ⊃/(__
/ ヽ-(___/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄







       (^ω^ )
      _(ヽηノ_
        ヽヽ
 
 ξ  )ξ
 _| ⊃/(__
/ ヽ-(___/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄







       (^ω^)
      _(ヽηノ_
        ヽヽ
 
 ξ  )ξ
 _| ⊃/(__
/ ヽ-(___/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



499: ◆sEiA3Q16Vo :03/29(木) 11:11 4lM7iFCNO


――ヤバイ。

ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ。

どうする。

どうするよ、僕うぅ!

ああぁあああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!









もうどうにでもな〜れ。

   *``・*。
   |   `*。
  ,。∩    *
 + (*^ω^)*。+゚
 `*。 ヽ つ*゚*
  `・+。*・`゚⊃ +゚
  ☆  ∪~。*゚
  `・+。*・ ゚



( ゚ω゚)「うおぉおおおぉぉっ!」



 ( ゚ω゚)っ
 (彡ηr シコシコシコ・・・
  i_ノ-′
         サッ
⊂( ゚ω゚) (゚ω゚)っ
 ヽ ηミ) (彡ηr =-
  (⌒) |  しu ≡=-
  三`J

シコシコ…
シコシコ…
   "";";;,
     ";";;,
     ;";";;
     ;;";";";
    vymyvwymyv、
 ヽ(´∀`)v`(゚ω゚)っ
(゚∀゚)と(゚д゚)('A`)
ヾη(・∀・)っ⊂(><)
`し(彡η⊂(゚ω゚)ηミ)
  i_ノ-"ヽ ηミ)u
     (⌒) |
      三`J

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"


(*゚ω゚)『たぎれ! ソロモンの勇者達よ! これが僕の全力だああぁぁっ!!!』









ξ )ξ












スイマッセーン!ジョウダン、ジョウダンダカラ…ギャアアアアアアアアアアアッー――――――――!!!



503: ◆sEiA3Q16Vo :03/29(木) 23:35 4lM7iFCNO


(#)ω(#)『ばびべばびぶびばぼ』
(マジでやりすぎだお)

ξ#゚听)ξ「何言ってるのか分からないわね」

(#)ω(#)『ぼばぶーばぼぼぼぼぼばんばぼ』
(オナヌーは男のロマンだお)

ξ#゚听)ξ「……………」
(#)ω(#)『……ぶんぼ』
(うんこ)

ξ#゚听)ξ「……………」

(#)ω(#)『……べぶぼぶ』
(セクロス)

ξ#゚听)ξ「……………」

(#)ω(#)『……………』

















(^ω^)『うんこ! セクロス! おちんちーん! うきょきょきょきょ!』
(ぶんぼ! べぶぼぶ! ぼびんびーん! 世界を構築する素粒子は極めて小さい。人は現在まで素粒子は存在しないと考えていた。しかし、素粒子は存在する、我々が今存在するのと同様に、素粒子は存在するのだ!)



ξ )ξ



ツンは、先程使用した灰皿を手に取る。

既に衝撃に耐えきれず崩壊し、なかば凶器と化した灰皿を。

そして。

ツンは。

灰皿を――





















      ___
     / __⌒ヾ
     / // \JJ
    / //
    | ))
    ヽ  \/ヽ
    |⌒\  ヽ|
    | ノ\_、 く_
    (_>  (#)ω゚)
      ∴
       __;∴
     ∧ _= ̄`;
     γ ̄ _≡:;
    / ―ニ ̄"'.
   /  ノ
   /  イ)
  /  _ \
  | /\ ヽ
  j /  ヽ |
 / ノ  { |
/ /   | (_
ヽ_〉   ー―`

叩きつけた。



508: ◆sEiA3Q16Vo :03/30(金) 12:58 XHam/TRbO


ξ゚听)ξ「治りが早いって便利ね〜」

(;^ω^)「便利以前にあのままだと多分死ぬお」

ツンは砕け散った灰皿を放り出し、何度か手を払う。

そして、濡れたタオルで顔を冷やすブーンの横を通り抜け、カーテンを引いた。

( ^ω^)「…どうかしたかお?」

ξ゚听)ξ「……聞こえない?」

ブーンは、タオルをテーブルに放り、目を閉じる。そして、視覚を遮断し聞くことに徹する。

聞こえる。

微かに床から伝わる振動。

何かがぶつかり合う音。



( ^ω^)「あいつだお」

うっすらと開けた目に、炎が揺らめく。
右手を何度か確かめる様に握り、全身の筋肉をほぐしていく。

そして。

オナホに手を伸ばした。






      ___
     / __⌒ヾ
     / // \JJ
    / //
    | ))
    ヽ  \/ヽ
    |⌒\  ヽ|
    | ノ\_、 く_
    (_>  (#)ω゚)
      ∴
       __;∴
     ∧ _= ̄`;
     γ ̄ _≡:;
    / ―ニ ̄"'.
   /  ノ
   /  イ)
  /  _ \
  | /\ ヽ
  j /  ヽ |
 / ノ  { |
/ /   | (_
ヽ_〉   ー―`

(#)ω゚)「またッスか」

ξ゚听)ξ「学べよ」



509: ◆sEiA3Q16Vo :03/30(金) 12:59 XHam/TRbO

  /|\|
 / |\\アッー―――
 |/ |\そ≡≡≡γ 
 |/ |\\\|
 |/ |\\\| 。
 |/ |\\\|_|
 |/ | \\|:|ヽ
| ̄ ̄ ̄|\ \|:|_|_
|□□□| |\ |:::::|
|□□□| | | ̄ ̄|\|
|□□□| | |□□| ‖
|□□□| | |□□| ‖
|□□□|_|_|□□| ‖
「 ̄‖ ̄\三\ □|/



510: ◆sEiA3Q16Vo :03/30(金) 13:00 XHam/TRbO

ぁ  ・

ぁ   ヽ(ω)
ぁ  _ノヽ
ぁ    〉

ぁ      /
ぁ  ヘ(#)ω゚)
ぁ     ヽ ノ-┛
ぁ     レ┓

ぁ    ∩
ぁ    (#)ω゚)
ぁ    ヽ つ
ぁ     \ ⊃
ぁ      ∪
あ         从从
あ    (#)ω゚) ビシッ
あ    / ⌒(⌒)
あ ⊂二/  へノ <rrr、
あ   /  ( ̄ `-LLLリ
あ`__レ  /  ̄`ー―′
あ/ ___ノ
あヽ ヽ | |
あ \ヽ| ⌒―⌒)
あ  ノ ) ̄ ̄ヽ(
あ (_/   ⊂ノ

あ    ___
あ  /⌒三⌒\
あ /(○)三(○)\
あγ::⌒(_人_)⌒::ヽ
あ|   |r-|   |
あヽ   `ー′   ノ




515: ◆sEiA3Q16Vo :03/30(金) 20:19 XHam/TRbO


ズシリ、と全身に衝撃が走る。
痺れにも似た感覚が、足元から徐々に這上がり脳天に達する。

(;゚ω゚)「お〜……」

思わず縮まったゴールデン・ボーイを揉みほぐし、今自分が落下した場所を見上げる。

割れた窓からは、ツンが顔を覗かせ見下ろしていた。

表情までは分からないが、かなり慌てている様子は伺えた。

(;゚ω゚)「普通なら死ぬおね」

――普通。

その言葉はとうの昔に失っていた。
オナヌーキングの称号を得たあの時に。

深夜の風呂場でアナルに指を挿入し、『ひぎぃ! それ以上はらめぇ!』と一人叫ぶ前立腺アナニー。

両乳首に洗濯バサミを装着し、苦痛と快楽を伴った乳首責め。

わざと舗装されていない道を選び、ゴールデン・ボーイとアナルの中間を、サドルから伝わる振動で刺激する前立腺ブレイヴァー



( ^ω^)「もう……ずいぶん昔の話だお……」

郷愁の色を瞳に浮かべ、ブーンは空を見上げる。

それにしてもこの内藤、ノリノリである。



516: ◆sEiA3Q16Vo :03/30(金) 22:32 XHam/TRbO


ξ;゚听)ξ「ブーン! 大丈夫なの!?」

( ^ω^)「何とか生きてるお」

ξ;゚听)ξ「ごめん…まさか落ちるとは思わなかったの……」

( ^ω^)「落ちる以前に灰皿で殴るのはどうかと思うお」

慌てて入り口から飛び出してきたツンに、ブーンは頷いてみせた。

( ^ω^)「……それより、早く行くお」

なおも謝ろうとするツンに、若干語気を強めてブーンは言った。

彼の視線は、夜の戸張と植えられた樹木を貫き、その先で行われる戦いに向けられていた。

ここからも聞こえる衝突の轟音が、彼の表情を更に険しい物に変えていく。

ξ゚听)ξ「……えぇ、分かったわ」

ブーンの顔を一度だけ覗き込み、ツンは強く頷いた。

既にブーンは道路を越え、公園に向けて駆け出していた。ツンもその背中を追い、走り出す。



入り口の柵の横を通り、ツンは公園に入ってすぐの場所で立ち尽くしたブーンを見付ける。

( ゚ω゚)「……………」

(・W)「……よぉ、俺」
川 ゚‐゚)「……クックル」
ツンの目の前に広がる光景。

崩壊した公園。

いたる所に点在する血溜り。

そして、大剣に貫かれた大男の姿だった。



519: ◆sEiA3Q16Vo :03/31(土) 00:24 dd9l7ZWTO




――時間は僅かに遡る――


(・W)「どうした…壊してみろよ……」

(#゚∋゚)「……………」

平然と大剣を受け止める内藤に比べ、大剣を握るクックルの腕には血管が浮き出る程の力が加えられていた。

(・W)「……ふん」

事もなげに腕を振り、大剣を打ち払う。
それだけの事で、大剣は勢い良く持ち上がりクックルにたたらを踏ませる。

( ゚∋゚)「……やはり……小細工は無用か……」

固く、閉ざされていた岩の様な口から、言葉が漏れる。

(・W)「分かってるじゃねえか……」

( ‐∋‐)「……………」

クレーターから這上がった内藤の前に立つクックルは、大剣を正眼に構え両の眼を閉じる。



――ゴギリ。



クックルの肉体が膨れ上がる。
腕だけではなく、全身の肉がうねり、たゆたい、盛り上がる。

( ゚∋゚)「……我が宝具……グガ・ラナは巨大の象徴なり……」

(・W)「……デケェ」

月光の下に立つのは、神話の世界より抜け出た巨人。

巨人は肉体の大きさに比例して巨大化した大剣を構える。

(・W)「さぁ……壊し合おうぜ……」

( ゚∋゚)「……………」

右手を突き出し、構える内藤。

無言の巨人。

両者の力と力が、破壊の嵐を巻き起こす。



520: ◆sEiA3Q16Vo :03/31(土) 00:24 dd9l7ZWTO


( ゚∋゚)「……………」

暴力的な破壊力を持った大剣が振るわれる。
内藤はその軌跡の下をくぐり抜け、クックルの足元に潜り込む。

(・W)「……………」

内藤の右手が鈍く輝く。
上半身の捻りを加え、そのまま足首に叩き付ける。

赤光が弾け、打撃点を中心に小規模の爆発が起きる。

血煙を上げ、肉を吹き飛ばされたクックルの体勢が揺らぐ。
内藤がその隙を狙い、クックルの背中に右手を向ける。

クックルは崩れた膝を強引に回し、振り向き様に大剣で薙ぎ払う。
巨大な肉厚の刃は、内藤の腹を狙い突き進む。

(・W)「……ちぃっ!」

伸ばしていた右手を閉じ、左手を添えた二の腕で迫る刃を受けた。

鈍い音を響かせ、物理法則に従い質量の少ない内藤の体は吹き飛ぶ。

切り揉み状態になり、空中で回転する内藤は姿勢を戻し、地面に降り立つ。

クックルは、無理な姿勢での攻撃がたたり、膝を付いた状態で内藤を睨む。

(・W)「あ〜…痛ぇな…」

内藤は右手を何度か振り、息を吹きかける仕草をする。

( ゚∋゚)「……………」

対するクックルは、肉がえぐれたにも関わらず平然と立ち上がる。



521: ◆sEiA3Q16Vo :03/31(土) 00:25 dd9l7ZWTO


大剣を振り上げ、打ち下ろす。

単純な動作に秘められた力が、風を引き裂き襲い掛る。

内藤は正面から刃に向けて走り出し、大剣の腹を右手で打つ。
衝撃で軌道が反れ、大剣は地面に突き刺さった。

剣の腹に押し付けられていた右手が輝く。

再び爆発が起き、衝撃が大剣をクックルの手からもぎ取る。
しかし、クックルは空いた左手を迷わず振り下ろした。

拳が地面との間に内藤の体を挟み込み、加えられた圧力が内藤の胸骨を何本も砕く。

(・W;)「あ、がぁあ……」

内藤の口から鮮血が吹き出す。
泡の混じった赤い液体は内藤の頬を伝い、地面を濡らす。

体を挟まれ、内藤は唯一自由が効く右手を振るった。
右手が輝き、空気がその呼び掛けに応え震えた。

そして生まれた一条の風の刃が、クックルの顔に突き刺さる。

(√∋゚)「――――っ!」

潰れた目を押さえ、のけぞるクックルの拳から解放された内藤は、体を転がし脱出する。

そして、今だに転がるクックルの大剣に駆け寄り。

渾身の力を込めて持ち上げ。

(;√∋゚)「!!!!!!!!!」



川;゚‐゚)「クックルッ!」

クックルの目が一瞬、公園の入り口から叫ぶクーの姿を捉える。



(・W)「じゃあな」



それを確認し、内藤は口の端を歪め。



クックルの体を貫いた。



525: ◆sEiA3Q16Vo :03/31(土) 22:37 dd9l7ZWTO




――同時刻――

(;><)「クックルが危ないんです! 急ぐんです!」

/;3「ろ、老人を労らんか! 儂の心臓が危ないわい!」

( <●><●>)「死ねばいいのに」

/#;3 「何じゃとぉ!」

( ><)「荒巻が何を言ってるのかわかんないです!」

川#゚‐゚)「ふざけている場合か! 黙って走れ!」


夜の闇を縫って三人は走る。

ビロード。

クー。

荒巻。

汗を拭う暇を惜しみながら、三人は走った。

走った。

走った。

/;3 (ムパンムパンの尻が……ムホホ)

視姦した。

川;゚‐゚)(何だこの寒気は………無事でいてくれ…クックル…)

背筋を這上がる悪寒に、クーは走る速度を上げた。

/;3 (あぁ! 儂の尻が!)

視界から消えていく尻を追い、荒巻も足を速める。



しばらく走り続けた三人の目に、街灯に照らされた公園の入り口が見えた。

川;゚‐゚)「クックルッ!」

柵を飛び越え、クーは目にした。

仲間の姿。

大剣を手にした仇敵。

仇敵は彼女を確認すると、歪んだ笑みを浮かべ。

仲間の体を貫いた。



526: ◆sEiA3Q16Vo :03/31(土) 23:38 dd9l7ZWTO




――そして、現在――



川#゚‐゚)「貴様アァ!」

(#゚ω゚)「何をしている!」

クーと、ブーンが同時に駆け出した。
クーは腰に帯びた刀を抜き放ち、振り抜く。
ブーンはそのまま、走る勢いを乗せて拳を打ち出す。

(・W)「……………」

無言で立ち尽くしていた内藤は。
自らの足元に右手を突き立てた。



――炸裂。



大量の土砂を巻き上げ、地面が吹き飛んだ。
爆風に巻き込まれ、ブーンとクーはそのまま地面に削られる様に転がっていく。

ξ;゚听)ξ「ブーン!」

(;゚ω゚)「…あ…ぐぅ……」

(;><)「隊長! しっかりするんです!」

川;゚‐゚)「く……」

倒れた二人に、ツンとビロードが駆け寄る。
吹き飛ばされた衝撃で、全身を痺れに似た感覚に襲われ、体を起こす事もままならない。

(・W)「……………」

地面にめり込んだ拳を引き抜き、内藤は立ち上がる。
そして、右手を顔の前に持ち上げ、まじまじと観察する。

/;3 「……落ちたのう」

いつの間にか、荒巻は内藤の前に歩み寄っていた。

川;゚‐゚)「……荒巻?」

/;3 「歴史の変動……生まれた波がお主にも影響を及ぼした様じゃな」



527: ◆sEiA3Q16Vo :03/31(土) 23:39 dd9l7ZWTO


/;3 「のう、ホライゾン……あぁ、そっちの小さい方じゃ」

振り返った荒巻は、ブーンを指差し好々爺の笑みを浮かべていた。

/;3 「……儂の顔に見覚えはないかのう?」

川;゚‐゚)「荒巻……さっきから何を言っている……」

/;3 「よぉ〜く見るんじゃ、覚えている筈じゃろう?」

ビロードに支えられ、上半身だけを起こしたクーの言葉を無視し、荒巻は笑い続けている。

( ゚ω゚)「………まさか」

ブーンの目が、見開かれる。



( ゚ω゚)「……トーチャン?」

/;3 「そうじゃよホライゾン」

ブーンの答えに、荒巻は更に皺を増やし満足そうな表情を浮かべ、頷く。

(;゚ω゚)「そんな……トーチャンは死んで……」

/;3 「……訳ありでの、死んだ扱いになったんじゃよ」

( ;ω;)「トーチャン! トーチャンなんだおね! 会いたかったんだお!」

/;3 「……儂もじゃよ、ホライゾン…どれだけお前を抱き締めてやりたかったか……」

荒巻の目からは、涙が伝い落ちていた。

ブーンは体を起こし、荒巻に駆け寄ろうとした。



だが。



川 ゚‐゚)「……荒巻……何を考えている」

クーの、切り捨てる様な声が、ブーンの足を止めた。



530: ◆sEiA3Q16Vo :04/01(日) 15:17 TLSS1Eo9O


/;3 「……無粋じゃのぅ、クーよ。親子の感動の再会を邪魔するとは……」

川;゚ ー゚)「ならば何故我々と行動を共にした! 貴様の目的は息子の敵討ちだと言った筈だ!」

激昂し叫んだクーは、再び体を走る痛みに顔をしかめる。

/;3 「……ほっ、そうじゃよ、息子の敵討ちじゃよ。書いて字の如く、息子の“敵を”討つんじゃ」

川#゚ ー゚)「貴様……!」

(・W)「荒巻、お喋りはもう十分だろ」

/;3 「ほっほっほ……それもそうじゃの」

荒巻は頷くと一度足踏みをした。

足を置いた場所を中心に地面は波打ち内藤と荒巻の体は地面に沈んでいく。

川;゚ ー゚)「待て! 荒巻!」

/;3 「……残念じゃが、石は投じられておる。お前さん達に止められるかのぅ? ほっほっほ……」

(;^ω^)「トーチャン!」

/;3 「いずれ会おう、息子よ……」

一度だけ笑いかけると、荒巻の体は地面に消えていった。

(・W)「……………」

ξ゚听)ξ「何よ」

内藤の視線に気付いたツンは、身構えながら睨み付ける。

(・W)「……………」

荒巻と同様に、一度だけ笑いかけると内藤の姿も地面に溶けこんで、消えた。



531: ◆sEiA3Q16Vo :04/01(日) 15:18 TLSS1Eo9O


川#゚ ー゚)「くそっ!」

ビロードに支えられ立ち上がったクーは、二人が消えた地面を睨みながら悪態をつく。

ξ゚听)ξ「ブーン……大丈夫なの?」

( ^ω^)「おっおっおっ、もう治ったお」

衣服の泥を払い落としながら立ち上がり、気付いた様にクーとビロードに目を向ける。

( ^ω^)「お…………」

川 ゚ ー゚)「……………」

僅かな間、無言で二人の視線がぶつかり合う。

そして、唐突に視線を外したかと思うと、クーは踵を返し歩き始めた。

公園の入り口に差し掛かった所で立ち止まり。

川 ゚ ー゚)「今回は見逃そう。だが、次は殺す」

首だけ振り返り、一言言い残すと再び歩き出す。

( ><)「……………」

肩を貸しているビロードは、申し訳なさそうな視線を送り、クーと共に闇の中に消えていった。



(;^ω^)「何が何だか分からないお……」

ξ゚听)ξ「……同感ね……」

取り残された二人は、壊れかけた街灯が僅かに照らす光の中で立ち尽くしていた。



〜第十五話・完〜



( ^ω^)右手より気持ちいいお!



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