( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです
- 2: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 00:37 d4XAFtPsO
ここは大都会ニューVIPに隣接した所に位置するAA町。
その町にとある事務所があった。
( ^ω^)「暇だお」
('A`)「確かに暇だ」
( ゚∀゚)「この二、三週間仕事の依頼がないからな……」
事務所内のブーン、毒男、ジョルジュの三人は口々に言い合っていた。
彼等の職業は新しい建物を建てる為に古い建物を破壊したり荒れ地の地均しをしたりといった危険が伴い高額な資金を必要とする仕事ばかりだ。その為報酬はかなりのものだが同時に依頼主も少なく暇なことが多い。
だがジョルジュの発言により暇は破られる。
- 3: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 00:41 d4XAFtPsO
( ゚∀゚)「…暇な訳だし、久々にアレでもしにいくか?」
( ^ω^)「仕事ないし丁度いいお。アレしに行くお」
('A`)「金、金、金♪」
( ^ω^)( ゚∀゚)「きめぇwwwww」
三人の中でのアレというのは地面を掘り進んだりどこかの洞窟に入ったりして宝をかき集めてくる、ということだ。
そう、三人は財宝ハンターでもあったのである。
( ゚∀゚)「とはいえ、当てもなしに行動するのは時間と労力の無駄だ。先ずは情報集めからだな」
ジョルジュがそう言ったところで事務所のドアをノックする者がいた。
( ゚∀゚)「どうぞ―」
ドアを開けるとそこには馴染みの顔があった。
- 4: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 00:46 d4XAFtPsO
(´・ω・`)「やあ」
( ^ω^)「おっおっ、ショボンだお」
( ゚∀゚)「いいところに来た!いきなりだがちょっと聞きたいことがあるんだ」
ショボンはブーン達の事務所のすぐ近くにあるバーボンハウスというバーを兄と二人で経営している。ブーン達はほぼ毎晩のようにバーボンハウスへ飲みに来る常連客な為ショボンとは仲がいいのだ。流石はバーテンをやっているだけあってあらゆる情報にやたらと詳しい。
(´・ω・`)「事情は話さなくていいよ。僕も君達が暇を持て余していてそろそろまたアレを始めようと企んでいるだろうと思ってね、伝えるために来たんだ」
- 5: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 00:57 d4XAFtPsO
(´・ω・`)「何でも、ここから少し離れた所に荒れ地があって、その荒れ地の中央には大きな石像があるらしいんだ。その荒れ地のどこかに高価な宝石や古代の金貨が大量に埋まっているらしいよ。」
( ^ω^)「でもそんな見つけやすそうな場所なのに何で誰も宝を発掘しようとしないんだお?」
(´・ω・`)「そこが問題なんだ。その荒れ地に手を出すと何故かとてつもなく酷い目に遭うらしいんだ」
( ゚∀゚)「それで今でも誰も手を出さない訳か…ところで、とてつもなく酷い目に遭うって、一体何が起こるんだ?」
(´・ω・`)「そこまでは僕も知らないよ。まあ君達は財宝ハンターみたいだし頑張ればきっと何とかいけるよ」
(; ^ω^)「ちょwwwwww何でそんなこと知ってるんだお?」
(´・ω・`)君達の部屋に置いてある物を見れば大体見当つくよ。それにバーでも財宝のありかとかそんな話ばかりしてくるじゃないか」
(; ^ω^)「(鋭いお…」
事務所内には古びた宝箱や古代の壷などが色々飾ってあった。
(´・ω・`)「用件はこれだけだ。じゃあ僕は帰るよ」
( ^ω^)「情報ありがとだお」
( ゚∀゚)「よし、じゃあ今から早速準備して明後日には出発できるようにしとけ」
( ^ω^)「了解だお」
('A`)「ちょwwww俺出番ねぇwwwww」
こんなことを言いながら三人は準備を始めた。
- 6: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 01:06 d4XAFtPsO
気がつくと既に夕方になっていた。
ブーン達が準備をしていたその時、事務所の電話が鳴った。
( ゚∀゚)「待て待て、俺が取る」
ジョルジュはそう言って受話器を取った。
(以下、電話での会話です)
( ゚∀゚)「もしもし、用件は何でしょうか」
ξ゚听)ξ「仕事を依頼したいんですが…」
( ゚∀゚)「(仕事依頼キタ-!)どのようなことでしょうか?」
ξ゚听)ξ「実はとある土地を買い取ったんですが、荒れ地になっている上に大きな石像が置いてあってどうしようもない状態なんです。ということなのでその石像を壊して、ついでに地均しも頼みたいのですが…」
(;゚∀゚)「……」
ξ;゚听)ξ「…どうかなされましたか?
(;゚∀゚)「…あ、いや大丈夫です。承ります。準備には一週間程かかりますのでそれまでお待ち下さい」
ξ゚听)ξ「わかりました」
(電話終)
- 7: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 01:17 d4XAFtPsO
電話を終えたジョルジュは楽しくてたまらないというような顔をしていた。
( ゚∀゚)「…これは面白いことになってきたぞ…おいブーン、悪いがショボンを呼び出してもらえないか?」
( ^ω^)「了解だお」
ブーンは電話でショボンを呼び出した。
しばらくしてショボンが事務所へ来た。
(´・ω・`)「やあ。また来たよ。でも今は仕事を抜け出して来た訳だから手短に頼むよ」
( ゚∀゚)「ああ、いきなり呼び出してすまない。ちょっと聞きたいことがあってな」
ジョルジュは先程の依頼主との電話のことをショボンに話した。
(´・ω・`)「うん、間違いなくそこが財宝のありかだ」
(; ^ω^)(;'A`)「な、なんだって―!!」
ジョルジュは先程の依頼主が言っていた土地とショボンが言っていた荒れ地の特徴が酷似していることをブーンと毒男に話した。
( ゚∀゚)「要するに仕事やりながら財宝探しが出来るという訳だ。仕事が終わったら終わったで報酬も入るし、まさに一石二鳥だ。それでいいだろ?」
('A`)「まあね。よくわからないけど俺は金が入ればそれでいいよ」
( ^ω^)( ゚∀゚)「(この金の亡者が…)」
(´・ω・`)「じゃあ僕も仕事に戻らせてもらうよ。兄さんばかりに忙しくさせたらまずいからね」
( ゚∀゚)「ああ、仕事中なのにすまなかった」
そう言ってショボンは帰っていった。入れ替わりに、またもやブーン達の知っている顔の者が部屋に入ってきた。
- 8: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 01:34 d4XAFtPsO
( ・∀・)「やあ。話は全て聞かせてもらったよ」
( ゚∀゚)「…モララーか。地上に顔を出すのは久しぶりなんじゃないか?」
( ・∀・)「うん、久々に出てきたよ」
(;゚∀゚)「そ、そうか。それはそうと居候の君が一体何の用だ?」
モララーはブーン達の事務所の地下室で様々な実験や研究をしている、傍らから見たらかなり怪しい人物である。若くして天才科学者であると同時に居候でもあるのだ。
( ・∀・)「その石像のことなんだ。これを見てくれ」
モララーは何やら分厚い本を取り出してページを開いた。
( ・∀・)「君達が今問題としている像は多分これのことだと思うんだ」
そのページには勇ましい剣士をかたどった石像が描かれてあった。どうやら古代文字のようなものも書いてあるようだがブーン達は解読出来なかった。
だが、モララーはその古代文字らしきものをすらすらと読み始めた。
( ・∀・)「『聖地を荒らすべからず。さもなくば災いが振りかかるだろう』と書いてあるみたい」
(; ^ω^)「ちょwwwテラスゴスwwww」
( ・∀・)「ここに来る前に予め解読しておいたからね」
本に古代文字で警告が書いてあるくらいだから単なる噂話ではないだろう、というのがモララーの考えだった。
( ・∀・)「居候の僕が言うのも変だけど気をつけた方がいいと思うよ」
そう言ってモララーは地下室へ戻っていった。
(;゚∀゚)「一体何なんだあいつは…」
('A`)「まあ少なくともただ者ではないと思うよ」
- 10: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 01:45 d4XAFtPsO
気を取り直したジョルジュが言う。
( ゚∀゚)「先程は明後日までに準備しろと言ったが依頼主に依頼された仕事は一週間後だ。目的の場所は同じな訳だから財宝を探すのも一週間後に延期。それまで事故ったり警察沙汰起こしたりするなよ」
( ^ω^)「わかってるお」
このとき三人はまだ自分達が予想する以上に壮絶な戦いになるとは思ってもいなかった。
その頃、バーボンハウスでは
(´・ω・`)「兄さんただいま。今戻ったよ」
(`・ω・´)「おい、客がいて忙しい時にお前は一体どこへ行ってたんだ」
(´・ω・`)「うん、ちょっと友人の所へ行ってたんだ」
(`・ω・´)「ぶち殺すぞ」
(´・ω・`)「ショボ―ン」
- 14: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 10:46 d4XAFtPsO
一週間後、ブーン達三人は依頼主の案内を受けて車で出発した。
車内をよく見るといくつかの銃やバズーカ砲がいつの間にか用意されていた。おそらくモララーが出発前に入れたのだろう。
ξ;゚听)ξ「何か物騒な物が色々ありますね」
(;゚∀゚)「いや、これらは我々の友人的な人物が何故か入れたものなんですよ(モララーの奴本当に何がやりたいんだ)」
( ^ω^)「でも、もしかしたら何かの役に立つかもしれないお(とは言ったものの何に使うんだお?)」
('A`)「しっかし、最近の科学者は随分と凄いことをするよな…(いつか事務所が吹き飛んだりしそうで怖いよ)」
そうこう話し合っている間に問題の場所へ到着した。
- 15: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 14:57 d4XAFtPsO
( ゚∀゚)「ここがその土地ですね……あっ!」
(; ^ω^)「ちょwwwwwww」
(;'A`)「そんなバナナ」
なんとその土地の中心には一週間前に見たモララーの本に描かれてあった石像と同じものと思われる石像があった。やはりショボンが言っていた情報は真実で、モララーが言っていた通り危険な土地なのだろう。
(;゚∀゚)「(ということはここに財宝があって、それに手を出すと災いが振りかかる…ってことだな。ここは死ぬ気でいった方がいいな)」
ξ゚听)ξ「…何か言いましたか?」
( ゚∀゚)「あ、大丈夫です。では今から危険な作業に取りかかるのでしばらくどこかで時間を潰していて下さい。一日で終わらせます」
- 16: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 15:02 d4XAFtPsO
三人になった後、ブーン達はしばらく石像を眺めていた。石像は丁度二階建ての簡易住宅と同じ位の高さだった。
('A`)「はぁ…どうするかねぇ…」
( ゚∀゚)「壊すしかないだろ……突入するぞ。慎重にな」
三人は恐る恐る荒れ地内に入る。何も起こらない。どうやら荒れ地内に入るだけなら問題はないようだ。
しかし、まだ気は抜けない。
( ゚∀゚)「まだ本当に安全かはわからないぞ。ブーン、いつもの爆弾を石像の前に置いてきてくれ」
( ^ω^)「了解だお」
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブー――――ン
ブーンは爆弾の導火線に火をつけ、物凄い速さで石像の前まで移動し爆弾を設置して戻ってきた。これなら、爆風に巻き込まれることはないだろう。
やがて爆弾が石像の前で爆発を起こした。爆風が石像を包み込む。これで終わりかな、と三人は思った。
―――が、しかし
- 17: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 15:08 d4XAFtPsO
(;゚∀゚)「!!!」
( ^ω^)「…」
(^ω^)
(;'A`)「こっち見るな」
なんと石像にはかすり傷一つついていなかった。
( ゚∀゚)「まあ、これだけで終わるわけないよな。それだけで何事もなく終わったらこっちだってやる気が起こらんし」
(;゚∀゚)「とはいえ、これはちょっとまずいな。爆弾で壊せないとなると手の打ちようがない」
その時、突然地面が揺れだした。
(;゚∀゚)「な、何事だ?」
(; ^ω^)「ジョルジュ、後ろを見るお…うわぁぁぁぁぁ!!!!」
そう言ってブーンと毒男は逃げようとしていた。
ブーンに言われた通りジョルジュは後ろを見る。
(;゚∀゚)「qあwせdrftgyふじこlp」
なんと石像が襲いかかってきた!
- 19: ◆wAHFcbB0FI :10/02(月) 13:21 J4hyhtWSO
(;'A`)「やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい」
(; ^ω^)「このままだと殺されるお」
(;゚∀゚)「車だ!三人とも早く車に乗れ!」
三人は車に飛び乗り、今にも車が壊れそうな速さで逃げ出した。
( ゚∀゚)「あいつは俺達めがけて追いかけてくるはず。あいつにニューVIPの方に行かれると大変なことになる。出来るだけ人気のない広い道へ誘導するんだ!」
石像は三人が乗っている車に向かって歩き始めた。どうやらブーン達は石像の怒りに触れてしまったようだ。
- 20: ◆wAHFcbB0FI :10/02(月) 13:27 J4hyhtWSO
石像に追われはじめてからブーン達は運よく人気のない広い道路へ石像を誘導することができた。
( ゚ω゚)「ホワァァァァァアア!!」
車はブーンが運転していたが、ブーンは完全に混乱してしまい、奇声を発しながら三人が乗った車を暴走させていた。その早さではいつ事故にあっても不思議ではなかった。
(;゚∀゚)「馬鹿、落ち着け!これじゃ奴に追いつかれる前に事故って死ぬぞ!つうか速度速すぎて怖い!」
(;'A`)「つうか一旦車止めて後ろ見てみろよ。あいつまだ遠くだぜ?」
ジョルジュと毒男が必死で止めに入る。
( ^ω^)「…おっ、なんだお。そんなに急ぐことなかったお」
ようやく我に返ったブーンが車を止めて後ろを見る。
石像はまだかなり遠くにいた。幸い動きは鈍いらしく、休んで作戦を考える程度の時間はあるようだった。
- 21: ◆wAHFcbB0FI :10/03(火) 00:09 +pM0IalAO
( ゚∀゚)「さて、あいつを何とかして壊さねばならん訳だが」
('A`)「こちらにある武器はモララーが車に入れたいくつかの銃やバズーカ砲だけだ」
( ^ω^)「やっぱり役に立ちそうだお」
( ゚∀゚)「無理だ。相手は爆弾をぶつけてもピンピンしてるんだ。銃如きで勝てるとは思えない」
('A`)「じゃあ今の俺達に出来ることは…」
そこまで言って毒男は話すのをやめた。いつの間にか石像がすぐ近くまで迫っていたのだ。石像の目には「お前等殺す」と言わんばかりの殺気がみなぎっていた。
(;'A`)「逃げることだ…!」
三人はすぐさま車を発進させた。
- 22: ◆wAHFcbB0FI :10/05(木) 00:11 ME8n12rXO
ブーンが車を運転している中、ジョルジュと毒男の二人は後ろを向いて石像の動きを観察していた。気のせいか石像の動きが少し早くなったようだ。
(;゚∀゚)「ちょwwwwやべぇ」
('A`)「…こうなったら駄目もとで攻撃してみるか」
( ゚∀゚)「そうだな、やってみないとわからないよな」
二人は車内にあった対戦車ライフルを構え、石像に向かって発砲した。だが、やはり効き目はなかった。
(;゚∀゚)「畜生、ならばこれならどうだ!」
ジョルジュと毒男は半ばやけくそになりながらバズーカ砲を放ったが全く壊れる気配がないどころか余計に怒らせてしまったようだった。
(;゚∀゚)「石像のクセに何で爆弾でもバズーカ砲でも壊れないんだ…本当に石像なのかよ」
(;'A`)「もう打つ手なしか…あいつますます早くなってるし」
(; ^ω^)「これは全滅するかもわからんね」
三人が諦めかけた時だった。
( ^ω^)「…? 前の方に誰かいるお」
遠くにいたので初めは誰だかわからなかったが、その人物に近づくにつれて誰だかわかった。
( ゚∀゚)「な…何であいつがこんな所に…?」
道路の真ん中に立っていたのはなんとモララーだった。ブーンはモララーの目の前で車を止めた。
- 24: ◆wAHFcbB0FI :10/05(木) 00:15 ME8n12rXO
( ・∀・)「やあ」
(#゚∀゚)「やあ、じゃねえよ! 呑気に挨拶なんかしてる場合か!」
(; ・∀・)「済まない。色々と君達に説明したいことがあってね」
そう言ってモララーは車に乗り、ブーンは再び車を飛ばした。モララーは追いかけてくる石像の様子をを見た。
( ・∀・)「あーあ、やっぱり石像を怒らせちゃったみたいだね」
( ゚∀゚)「どういうことだ?」
( ・∀・)「僕は一週間前君達に石像についての話をした訳だけど、あの時は正直僕にも詳しいことは解らなかったんだ。そこで気になった僕はあの後色々調べた結果、石像はかつてのあの土地の番人みたいな存在だったらしいんだよ」
(; ^ω^)「宝を守ってるんじゃなかったのかお」
('A`)「何かガックリくるぜ」
( ・∀・)「それもあるだろうけど、あの石像が 本 当 に 大事に守っていたのはきっと土地そのものだったんだ」
( ゚∀゚)「でも、俺達が土地へ入っただけじゃ襲ってこなかったぞ?」
( ・∀・)「それは君達が危険人物ではないと思ったからじゃないかな?つまり来客か何かだと最初は思ってたんだと思う。でも、なにせ君達のことだから爆弾とかぶつけて石像を爆破しようとしたんだろ? それで君達は石像の逆鱗に触れて逃げ惑うハメになって現在に至る訳だ」
(;゚∀゚)「…つまり俺達が下手に壊そうとしなければ事は小さくて済んだってことか?」
( ・∀・)「そうかもね」
(; ^ω^)「僕達のせいかお…でもあの石像を壊すよう依頼を受けたんだから結局はそうする他なかったお」
( ・∀・)「まあどの道あそこまで怒らせちゃったらもう壊すしか止める方法はないと思うよ」
( ^ω^)「でもあいつは何をやっても壊れないお」
( ・∀・)「やっぱりね…そう思ってさ、こんな物を作った訳だよ」
モララーは黒い箱を取り出した。
- 25: ◆wAHFcbB0FI :10/06(金) 23:17 v2PTlwEhO
( ・∀・)「僕が持っている魔法書に、とある古代大国の最強の破壊工作員が使っていたという強力な爆弾の作り方が書いてあった。その作り方をみて作った物がこの中にある。こいつなら石像を破壊出来るかもしれない」
( ^ω^)「それは凄いお! じゃあ今すぐそれをあいつに…」
(;゚∀゚)「待て待て!人が通らないとはいえこんな道路で使ったら周りの建物が吹っ飛んでえらいことになるぞ!」
('A`)「この辺りで何もなくて広い所……ラウンジ荒野だ!ラウンジ荒野へ奴を誘導するんだ!」
( ^ω^)「了解だお!」
ブーンはラウンジ荒野へ向けて運転を始めた。
ラウンジ荒野とはAA町よりもさらに大都会ニューVIPから離れた場所に広がっている荒野である。呆れる程不毛な土地で植物も育たず、近くに民家等もない為誰一人開発しようとしたりする者はいない。
そこなら大爆発を引き起こしても特に害はないだろう、と毒男は判断したのだ。
- 26: ◆wAHFcbB0FI :10/06(金) 23:21 v2PTlwEhO
( ゚∀゚)「出来る限り人や車があまり通らない道を選べよ」
( ^ω^)「わかってるお」
(; ^ω^)「ど、どうしたらいいお…ピンチだお」
ブーン達はラウンジ荒野へ向かう途中、運悪く車がよく通る道路に来てしまった。
(; ^ω^)「背に腹はかえられないお……強行突破だお」
ブーン達は仕方なくその道を通ってラウンジ荒野へ向かうことにした。何しろ石像の速さがどんどん増しているので回り道している余裕はない。そんなことをしていてはラウンジ荒野へ誘導する前に石像に車ごと潰されてしまうだろう。
- 27: ◆wAHFcbB0FI :10/06(金) 23:27 v2PTlwEhO
町人A「何だあれは?」
町人B「こっちに向かってくるぞ! 逃げろ!」
途中すれ違った車に乗っていた人達は石像を見るとすぐに車を乗り捨てて逃げ出した。
石像は自分の行く手の邪魔になっている、誰も乗っていない車を蹴り飛ばして再びブーン達を追い始めた。
ブーン達の車とすれ違った車は他にもいくつかあったがどれも全く同じだった。石像を見つけるなり車内の人々は逃げ出し、後に石像が残された車をスクラップ状態にしていった。皆すぐに逃げ出した為怪我人はいなかったようだが、ブーン達の車と石像が通った後はスクラップと化した車がいくつも転がっていた。
(;'A`)「見ろ! 車がゴミのようだ!」
(#゚∀゚)「馬鹿、感心してる場合か!」
('A`)「車を運転してるのはブーンだろうに」
(#゚∀゚)「そういう問題じゃねえよ!空気読みやがれ!」
ジョルジュと毒男が言い合っていた時、運転席で車を運転していたブーンが声をあげた。
( ^ω^)「やったお、ラウンジ荒野だお!」
('A`)「おお、遂にたどり着いたか!」
( ゚∀゚)「よくやった! そしてもうこれで勝ちは決まった!」
- 29: ◆wAHFcbB0FI :10/08(日) 23:19 WRI/o6K9O
ブーン達は何とかラウンジ荒野まで逃げ切ることができた。
ブーン達は車から降りて身構えた。石像はまだここまで来ていないようだ。
( ゚∀゚)「後はさっきの爆弾で壊せばいいんだな」
( ・∀・)「まあ確かにそうなんだけど……一つ言っておかなければならないことがあるんだ」
( ・∀・)「この箱の蓋を開けると自動的に導火線に火がついて十秒後に爆発する。そこまではいいんだけど、何しろ爆発力が強いから使った方も巻き込まれちゃうんだよね…」
(;゚∀゚)「え……つまり俺達も死ぬって事?」
(; ・∀・)「…そういうことになるね」
(; ^ω^)(;'A`)「な、なんだってー!!」
- 30: ◆wAHFcbB0FI :10/08(日) 23:24 WRI/o6K9O
モララーの衝撃の発言を聞いた三人は思わず立ちすくんだ。石像を壊すためには自分達が犠牲にならなければならない――――あまりにも酷いことである。
しかし、いつまでもそうではいられなかった。石像が四人から見える位置まで迫っていたのだ。
(;'A`)「今度こそガチでやばいぞ。こうなったら死ぬのを覚悟で…」
( ω )「…多分、いや、絶対に大丈夫だお」
( ゚∀゚)「ブーン?」
( ^ω^)「僕の力を使うときが来たお。モララー、爆弾を僕に渡してほしいお」
( ・∀・)「ブーン、何をする気なんだい?」
( ^ω^)「安心してほしいお。死人は誰一人出さないお」
( ・∀・)「……わかった」
モララーは覚悟を決めたように箱をブーンに渡した。
( ・∀・)「もう一度言っておくが箱を開けて十秒後に爆発だからな」
( ^ω^)「把握したお。みんなは危ないから遠くまで下がっててほしいお」
( ゚∀゚)「何をするのか解らないけど、ここはブーンを信じるんだ」
('A`)「そうだな…」
ブーン以外の三人は安全な位置まで下がった。
( ^ω^)「いくお!」
そう言ってブーンは深く深呼吸すると、向かってくる石像へ突っ走っていった。
- 31: ◆wAHFcbB0FI :10/09(月) 23:06 vGbYITW6O
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーーーーーン
ブーンは危険を省みずどんどん加速した。次第に石像との距離も近くなってくる。
(;゚∀゚)「ブーンの奴何をする気なんだ…?」
('A`)( ・∀・)「……」
後ろの方でブーンを見守っている三人は息をのんだ。
ブーンと石像との距離が残りわずかになったその時。
( ^ω^)「これだけの速さと滑走路ならばあの技が出来るはずだお!」
ブーンは地面を強く蹴り上げ、手を大きく広げてそのまま勢いよく飛び始めた。
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーーーーーン
(;゚∀゚)(;'A`)(; ・∀・)「ちょ、すげぇ…」
石像の方も標的が突然視界から消えた為にうろたえていたようだった。石像の高さよりも高い位置を飛び回っているブーンは空中で箱の蓋を開けた。モララーの言っていた通り導火線に火がついた。
( ^ω^)「…石像の分際で暴れ回ってんじゃないお。喰らいやがれお!」
ブーンは石像の真下へ爆弾を投下した。
石像のすぐそばの位置まで落ちて来たところで爆弾は大爆発を起こした。嵐の如く荒れ狂う爆風、おぞましい程の轟音、何かが砕け散る音……村程度のものならこれだけで跡形もなく消え去ってしまいそうな程の爆発だった。ジョルジュ達はこれまで自分達の爆弾による爆発を幾度も見てきたが、これほどの大爆発は見たことがなかった。
- 33: ◆wAHFcbB0FI :10/11(水) 09:21 QLowyyx5O
煙が消えて景色が見えてくると、そこには砕け散った石像があった。
( ゚∀゚)「…これにて俺達の勝ちだよな?」
('A`)「ああ…でも、ブーンはどこだ?」
ジョルジュ達はブーンを探したが、なかなか見つからない。
(;゚∀゚)「いないな。まさか爆発に巻き込まれて…」
('A`)「そんなこと絶対にあっては駄目だ!おーいブーン!」
毒男が大声で叫ぶ。
( ^ω^)「呼んだかお?」
(;゚∀゚)(;'A`)(; ・∀・)「ちょwwwwwおまwwwww軽すぎだろwwww」
ブーンは戻ってきた。流石にあの爆弾の爆風も空高く飛んでいたブーンにはギリギリで当たらなかったらしく、そのまま飛んでいって着地し、事なきを得たという。
( ゚∀゚)「よく無事だったな。正直もう駄目かと思ったぜ」
( ^ω^)「死人は誰一人出さないってさっき言ったお。僕は嘘はつかないお」
('A`)「しっかしお前何であんなこと出来るんだよ? お前本当に人間か?」
( ^ω^)「それは僕もよく解らないお。でも、こうして無事に終わったんだから問題なしだお。あと僕は人間だお」
( ゚∀゚)「ブーン、まだ終わりじゃないぞ。石像があったあの土地に戻って依頼された仕事と財宝を掘り出す作業をしないとな」
( ^ω^)「そうだったお。じゃあ早速戻るお!」
( ゚∀゚)「モララー、お前はどうするんだ?」
( ・∀・)「あ、僕のことはいいよ。先に帰ってるから」
( ゚∀゚)「把握した」
三人はモララーを残してラウンジ荒野をあとにした。
- 34: ◆wAHFcbB0FI :10/11(水) 09:23 QLowyyx5O
三人がラウンジ荒野を去り、モララー一人が残る。
( ・∀・)「…さて、僕も始めるか」
モララーは石像の残骸を漁り始めた。
( ・∀・)「石像が動いていたことには何かカラクリがあるはずだな。それを見つければ……これは何だ?」
モララーは石像の残骸からサッカーボール程の大きさをした、虹色に光る奇妙な物体を見つけた。
( ・∀・)「もしやこれが……よし、早速持って帰ろう!」
そう言ってモララーもラウンジ荒野をあとにした。
- 35: ◆wAHFcbB0FI :10/11(水) 09:29 QLowyyx5O
ブーン達が石像から逃げ回っていた時間は意外に長く、戦いが終結したときには日が暮れかけていた。
ξ゚听)ξ「(一日で終わるって言ってた訳だしそろそろ終わってる頃かな…)」
依頼主が荒れ地に戻って来た。彼女は荒れ地の光景を見たとき唖然とした。
ξ;゚听)ξ「ちょwwww誰もいないし石像もねぇwwwww」
荒れ地には誰もいなかった。そして、あの邪魔になっていた奇妙な石像もなくなっていた。
ξ゚听)ξ「あー、石像は何とかなったけどこの土地の荒れようはどうするかねぇ」
その時、すぐ近くに車が止まる音がした。
ξ゚听)ξ「あっ、あの車は…」
( ^ω^)「只今戻りましたお」
( ゚∀゚)「いやー、すいませんねぇ。ちょっと色々なワケありで予想以上に石像を壊すのに時間が掛かってしまいまして」
三人はこの土地の事や石像の事、そして財宝の事を依頼主に話した。
ξ゚听)ξ「はあ、そういうことだったんですか。じゃあこの土地のどこかに宝とやらがあるんですね」
( ゚∀゚)「俺の勘では石像があった所辺りが怪しいんですよね」
( ^ω^)「ちょっと掘ってみるお」
ブーンは石像があった所を掘り始めた。
( ^ω^)「おっ! 階段だお!」
少し掘ったところでブーンは下り階段を見つけた。
('A`)「案外簡単に見つかったな」
( ゚∀゚)「(おかしいな、ちょっと掘っただけなのにそんな簡単に見つかるものなのか?)」
四人は階段を下っていった。すると―――
( ^ω^)「おっおっおっ! 遂に見つけたお!」
('∀`)「キタ―ー(゚∀゚)――ッ!!」
ξ゚听)ξ「す、凄い…」
階段を下っていった先にあった小部屋には、大量の宝石や古代の金貨があった。
( ^ω^)「やっぱりこの瞬間は最高だお。早く袋に入れるお」
('A`)「そうだな」
ブーンと毒男は財宝を袋へ入れ始めた。
( ゚∀゚)「(やっぱりおかしすぎる! 部屋の広さから考えてもっと宝はあったはずだ!)」
( ^ω^)「ジョルジュも手伝ってほしいおー」
疑問を抱いているジョルジュにブーンが声をかけた。
( ゚∀゚)「…ああすまんすまん(財宝はちゃんとあった訳だしまあ別にいいか)」
ジョルジュは疑問を強引に片付けてブーン達と作業を始めた。
- 36: ◆wAHFcbB0FI :10/11(水) 21:26 QLowyyx5O
部屋の大きさから考えて少なく思えるとはいえ、財宝の量はそれなりに多く、二つの袋に分けた。
( ゚∀゚)「ふう、やっと終わったぜ。じゃあそろそろ仕事の続きやるか!」
( ^ω^)('A`)「了解(だお)!」
( ゚∀゚)「あ、すまん。ちょっと待った」
ジョルジュは何かを思い出したように財宝の入った二つの袋のうちの一つを取った。
( ゚∀゚)「ほら、これ」
ξ゚听)ξ「……え? これいいんですか?」
( ゚∀゚)「だってそれはあんたの土地にあったんだから、山分けですよ」
そこへブーンが口を挟む。
( ^ω^)「本当は僕達は金が欲しくて財宝探しをしてる訳じゃないですお。財宝を探すということが楽しくてやってるんですお。でももちろん金も少しは欲しいですお」
('A`)「(俺は金もそれなりに欲しいけどな)」
ξ゚听)ξ「そうなんですか…(なんかこういうのっていいかも)」
( ゚∀゚)「おっと、もう夕方六時だ。速攻で片付けるぞ」
- 37: ◆wAHFcbB0FI :10/11(水) 21:28 QLowyyx5O
三人はその後人間業とは思えない程の驚異的な速さで土地の整備を始めた。
四時間後
(; ^ω^)「やっと終わったお。にしてもちょっとはしょり杉じゃないかお?」
('A`)「俺は悪くねえよ。作者が悪いんだ」
( ^ω^)「作者のせいかおwwwww」
三人は依頼主から代金を受け取り、事務所へ帰ることにした。
( ゚∀゚)「もう夜中だな。疲れたし今日はとっとと寝ようぜ」
( ^ω^)「それがいいお」
('A`)「賛成。もう酒を飲む気力さえもねぇ」
三人は車内でそう言い合っていた。
- 38: ◆wAHFcbB0FI :10/11(水) 21:42 QLowyyx5O
翌日
(;゚∀゚)「やべぇ、夕方五時まで寝てたwwwwww」
( ^ω^)「落ち着くお。今日は休みだお。つーか仮にそうでなくても仕事なんてそうそうないお」
('A`)「寝過ぎて頭が痛い…頭痛薬飲んでくる」
ようやく三人が目覚めたところでブーンが提案する。
( ^ω^)「無事に仕事を終えた訳だし、いつもの所へ行くかお?」
( ゚∀゚)('A`)「賛成」
いつもの所、というのはショボンが経営しているあのバーボンハウスのことである。三人は事務所から歩いて約三分の場所にあるバーボンハウスへ向かった。
(´・ω・`)「やあ、ようこそバーボンハウスへ。仕事の方と例のアレは上手くいったかい?」
( ^ω^)「おかげさまで無事に仕事が終わったから来たお…ってこりゃ何だお!」
( ゚∀゚)('A`)「ちょwwwwwwおまwwwwwww」
なんと店内が少し豪華になっていた。床のタイルは新しく張り替えられ、テーブルや椅子も全て新しい物だ。バーボンハウスは以前の雰囲気を残しつつも見違える程綺麗になっている。恐らくかなりの金をつぎ込んだのだろう。
( ^ω^)「これは一体どういうことだお?」
('A`)「全くだ、どうやってこんなに金稼いだんだ?」
(;´・ω・`)「う、うん、そこは他人には言えない秘密なんだ。済まない」
( ゚∀゚)「え…相手が俺達三人でも駄目か?」
(´・ω・`)「残念ながら駄目だね。別に謝って許してもらおうとも思っていない」
( ^ω^)「まあ細かいことは別にどうでもいいお。僕達だって結構怪しいことしてる訳だし」
('A`)「言われてみれば確かにそうだよな」
( ゚∀゚)「なるほど、企業秘密みたいなもんだな。俺達が首を突っ込むようなことじゃないよな」
(´・ω・`)「そういうこと。じゃあ、注文を聞こうか」
( ^ω^)「仕事終わった後で今は金があるお。だからメニューにある全てのワインを…」
('A`)( ゚∀゚)「やめろちんかす野郎wwwwwwww」
(´・ω・`)「こらこら、店内で騒ぎを起こさない、ぶち殺すぞ」
三人のならず者達は今夜も大騒ぎしていた。
第一話 完
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