(´・ω・`)の恨み代理店のようです

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:22:11.75 ID:cUDFdPi00

ここはこの世と天国の間にある空間。
ここに来られる人は幸か不幸か。

単純に考えると不幸なのだろう。
最後まで生きることなく、人の手によって死んだのだから。



さてここで選択です。

犠牲を払ってでも相手を地獄に落とす?

自分を殺した相手を放っておく?

後者を選んだのなら、もしかしたらこの世の「法」によって地獄に逝くかもしれません。
だがもし80年生きたのなら地獄に逝かずにすぐ転生・・・。
あなたは、それを許せますか?

しかし、あなたが前者を選んだのなら・・・。


どちらが自分のためか、それは人それぞれ・・・。



5: ◆1opJeO9WQk :2008/09/01(月) 22:23:49.41 ID:cUDFdPi00

<第2話 ルーレット>

カウンターの前の椅子。
そこには学生服を着た不健康そうな少年。

カウンターの上にはコップが置かれており、黄色に近い液体が注がれている。

(´・ω・`)「オレンジジュース、好きだよね?」

そう言ったのは眉の下がった男。
この空間、つまりはバーの形をした「恨み代理店」の持ち主ショボン。

('A`)「有り難うございます」

答えたのは先程も述べたように不健康そうな男、ドクオ。
ドクオはジュースの入ったコップを手に取り口に運ぶ。



7: ◆1opJeO9WQk :2008/09/01(月) 22:26:25.34 ID:cUDFdPi00

('A`)「死んでもオレンジジュースを飲めるとは」

(´・ω・`)「あの世って意外と何でもありなんだよね」

ショボンは続けて口を開く。

(´・ω・`)「自殺でここに来る人はあんまりいないんだ」

ドクオ、この男は自殺でここにやってきていた。
ここに来るための条件の一つは<明確な意志>によって殺されること。

('A`)「つまり、あいつは俺を自殺させようとしていたんですか?」

(´・ω・`)「だろうね」

ドクオを自殺まで追い込んだのは、教師。
名前はフォックス。
生徒からは面倒見がよく、優しい先生と評判だったらしい。
ルックスもなかなか良く、特に女子生徒から人気があったようだった。



9: ◆1opJeO9WQk :2008/09/01(月) 22:28:58.98 ID:cUDFdPi00

すでにドクオはショボンから説明を受けていた。
どちらを選んでも最終的に転生をするのだが、生まれる時、もっているモノが違う。

(´・ω・`)「どっちにするか決めたかい?」

('A`)「ええ、だけどもう少し待って下さい、少し考えたいことがあって」

(´・ω・`)「構わないよ、これは君の選択だしね」

('A`)「ありがとうございます」

ところで、ドクオはそう言ってショボンに質問する。

('A`)「えっと・・生きてた時に入ったこと無いからよく分からないんですけど・・・」

('A`)「これいわゆるバーって奴ですよね?」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:31:23.06 ID:cUDFdPi00

(´・ω・`)「そうだよ」

('A`)「内装は最初からこうだったんですか?」

(´・ω・`)「いや、椅子が二つおいてある他何もない、真っ白な空間だったけど」

('A`)「何でバーに・・・」

(´・ω・`)「・・・趣味」

(;'A`)「・・・」

仮にも人を殺すかどうかを選択する場所である。
そこを「趣味」、この一言で変えてしまうのがこの男、ショボン。
そしてドクオがさらに問いかける。

('A`)「来る人全員に何か出してるんですか?飲み物とか・・」

(´・ω・`)「うん。だってあんまり使い道ないし・・・」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:33:20.99 ID:cUDFdPi00

('A`)「使い道・・?」

ドクオは聞いた言葉を口にする。

(´・ω・`)「年数だよ、君らが僕に注文したとき余った年数を全部無くすだろ?それが僕のモノになる」

ドクオは実に興味深そうに耳を傾ける。

(´・ω・`)「死んだ人は飲まず食わずで生き・・・過ごしていける。それでも味覚は存在するからね、食べることだってできる。
      それは一般的には只で行える、天国の人はね。
      僕はあいにく天国の人じゃないから、年数を使って買い物をしている。飲まず食わずで良いのは同じだけど。
      それでグラスやお酒、ドリンクをそろえているんだ」

('A`)「ショボンさんの年数が零になったらどうなるんですか?」

(´・ω・`)「・・・内緒」

('A`)「そうですか・・・、とりあえず説明どうもです」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:36:14.73 ID:cUDFdPi00

('A`)「ああ、それと、考えまとまりましたよ!」

ドクオは死人とは思えぬ明るい声でショボンに言う。
それを聞いたショボンにはさっきまでの穏やかな雰囲気はない。

(´・ω・`)「・・・どっちにする?」

ショボンは訪ねる、次の人生がかかった選択を。
ドクオは言い放つ、次の人生をかけた答えを。

('A`)「恨みで、これは最初から決まってました。今まで考えてたのは・・・そう」


「殺しかたです」


ドクオはまだ17歳、高校2年生である。
しかしドクオが放った言葉は歳を感じさせない。



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:38:41.75 ID:cUDFdPi00

ドクオはここに来てから全く悲しげな表情を見せていない。
それどころか死んだ後の世界に、どこか期待しているようだった。

40人いたクラスメイト、自分にできることはたいてい誰でもできた。
なのに他の人ができることは自分にできない。

劣等感こそ抱いたが、友達も少なくなく、よく話題に混ざっていたし嫌われてはいなかった。
だがそれはあくまでも同級生からであって、担任からはよく見られていなかった。

あげく、担任に陥れられ自殺。

そして現在、クラスメイトが誰もできないことをやろうとしている。


人を殺す。
ドクオが直接手を下すわけではないが、ドクオの選択で決まる。



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:40:41.68 ID:cUDFdPi00

ドクオはここに来たこと、つまりは死んだことを不幸と思っていなかった。
むしろ、幸せと思えた。

勉強ができるわけじゃない。
運動だって、何をやらしても人並み以下。
ルックスなんてネタにされるほどだ。




ドクオは笑ってショボンに言う。

('∀`)「少しでも希望があるように見せて殺して下さい。ジャンルはゲームで」

さらに続ける。

('∀`)「脚、代償は脚をだします」

(´・ω・`)「いいんだね?」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:42:45.89 ID:cUDFdPi00

('∀`)「どうぞ」

(´・ω・`)「ゲームだからな・・・脚ってどうなっても良い?」

('∀`)「はい」

(´・ω・`)「そう、じゃあ早速行って来るね」

ショボンはドアを開けてバーから出ていく。
ドアは閉まるとふっと消えて、そこはまた閉ざされた空間になる。

ドクオはスクリーンを見ていた。
そこに映るフォックスはいびきをかいて寝ている。

('A`)「・・・今度はこっちの番だ」

そう言ってドクオは、氷で味の薄くなったオレンジジュースを飲み干した。



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:45:36.85 ID:cUDFdPi00

(´・ω・`)「やあ」

爪'ー`)y‐「誰だお前?」

(´・ω・`)「ラブリーエンゼル・ショボンさ」

ショボンは冗談を交えながらこれから殺す相手に名乗る。
しかし、フォックスは何事もなかったかのように疑問を口にする。

爪'ー`)y‐「何だここ?教室?」

(´・ω・`)「(つっこめよ・・・)・・・」

ショボンは心の中で囁くだけで、声は出さない。

爪'ー`)y‐「知ってるなら答えろ、ここはどこだ?」

フォックスは語尾を怒らせる、しかしショボンは動じない。
余裕を持って答える。

(´・ω・`)「不思議空間さ、教室の形をした」



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:48:42.76 ID:cUDFdPi00

爪#'Д`)y‐「ふざけんな」

フォックスは拳をつくり、ショボンに殴りかかる。
しかしそれはショボンをすり抜ける。

爪;'Д`)y‐「な・・・」

(´・ω・`)「ある人に依頼されてね、君の遊び相手をしてほしい、ということなのさ。
      僕らはお互いの体に触れない」

爪;'ー`)y‐「ああ?誰だそれ?」

フォックスは未だに現状を理解していない。
誰もいない教室、だがここに扉はない。
窓の外からは夕日が差し込んでいる。

少しパニックになっている男をさらに混乱させる言葉を、ショボンは口にする。

「ドクオっていうんだけど、知ってる?」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:51:08.96 ID:cUDFdPi00

爪'ー`)y‐「ぷ・・・あはは」

ショボンが言った言葉を耳にしたフォックスは突如笑い出す。

(´・ω・`)「何笑ってるの?変態やろう」

爪'ー`)y‐「ドクオはもう死んでるの、つまりこれは夢!焦った自分が情けなくてね」

フォックスはまだ笑っている、ショボンはそれを見て少し呆れる。

(´・ω・`)「夢の中で夢だと気づくのは難しいよね」

爪'ー`)y‐「それが何かあるかな?ラブリーエンゼル君」

(´・ω・`)「お前にそんな難しいことは無理だって言ってるんだ、馬鹿。頭悪いな」

爪'ー`)y‐「夢なのに熱心なことで。そのゲームとやらをしようぜ」

ショボンはため息をつく。
せっかくこれが夢でないと教えているのに、と。



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:53:41.15 ID:cUDFdPi00

(´・ω・`)「じゃあまずはダーツをしようか」

ショボンがパチンと指を鳴らすと教壇の上にマネキン、
そこから真っ直ぐ6メートルほど離れた場所に位置する机に、ダーツの矢が10本置かれている。

(´・ω・`)「ルールは簡単、ダーツをなげてマネキンに刺さったところと同じ位置に痛みがくるよ。もちろん相手にね」

ショボンはそう言うとフォックスに矢を5本渡す。
ジャンケンで勝った方が先攻ということになり、フォックス、ショボンの順になげることになった。

爪'ー`)y‐「それではなげさせて貰うよ」

机の位置から、フォックスは一本目を放つ。

命中。

矢はマネキンの右太股に刺さっている。



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:56:32.36 ID:cUDFdPi00

(´・ω・`)「わあ痛い。次僕の番ね」

ショボンはさらっと痛がってみせる。
それを見てフォックスは、やはり夢じゃないか、と笑う。

(´・ω・`)「いっきまーす」

ショボンの矢はマネキンの左耳に刺さる。
それと同時に叫び声が教室に響く。

爪;'ー`)y‐「あああ、痛い痛い痛い」

フォックスは左耳を押さえてしゃがみ込む。
ショボンはそんな男に冷たく言う。

(´・ω・`)「夢なんでしょ?起きればいいじゃないか」

爪;'ー`)y‐「夢なのに痛いわけねえだろうが!」

フォックスはショボンを怒鳴りつける。
左耳には5ミリほどの点のようなモノができている。



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 22:59:13.50 ID:cUDFdPi00

爪;'ー`)y‐「何がどうなってんだよ!クソッ!」

フォックスは近くの机や椅子を蹴飛ばしている。
それを見てショボンはゆっくりと口を開く。

(´・ω・`)「さあ、投げろよ」

ショボンの言うことにフォックスは聞く耳を持たない。
そしてまた悲鳴が一つ。

爪;'ー`)y‐「ああああああああああああああ」

今度は右の肩付近を押さえながら叫んでいた。
マネキンには3本の矢が刺さっている。
1本は耳、1本は太股、そしてもう1本はフォックスが押さえている部分。

(´・ω・`)「痛い思いしないと目が覚めないみたいだからね。もう一度言う、投げろ」

ショボンはそう言って、マネキンに向かいダーツを投げるモーションをとろうとする。

爪;'ー`)y‐「俺の番だろ?投げるから待ってくれ」



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 23:02:02.03 ID:cUDFdPi00

(´・ω・`)「最初からそうしろよ、ほら2回連続で投げろ」

ショボンは近くの机に腰掛け、フォックスの動作を眺めている。
矢は2本ともはずれ、フォックスは叫き散らす。

爪;'ー`)y‐「なんでだよ!何でこんな目に遭わなくちゃいけないんだ」

(´・ω・`)「自業自得だろ」

ショボンは口を動かすだけで体は動かさない。

(´・ω・`)「残りも全部投げろ。僕はこのゲームをやめる。飽きた」

爪'ー`)y‐「やった・・・ははは」

フォックスの投げた矢は、またしてもどこにも刺さらずに墜ちる。
いや、最初から当てるつもりなど無かったのだろう。

爪'ー`)y‐「さあ、早くもとに戻してくれ」

ショボンはそれを聞いて首を傾げる。



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 23:05:33.67 ID:cUDFdPi00

(´・ω・`)「何言ってるのさ、このゲームをやめたんだ。次は違うのをやるよ」

爪;'ー`)y‐「冗談じゃない!早くここから出せ!!」

ショボンは無視して次のゲームを選んでいる。
それを見てフォックスは椅子を手にして・・・それをショボンに叩きつける。
しかしショボンは全く動かない。
それどころが殴った本人が頭を押さえて転げ回っている。

爪;Д;)y‐「あ・・・ああ・・・」

(´・ω・`)「寝てんなカス、さっさと起きろ。ゲーム決まったぞ」

ショボンは指を鳴らす、現れたのは拳銃とサイコロと箱。
箱の中はクジになっているようで折られた紙が入っている。

(´・ω・`)「ルールは簡単、クジには体の一部が書かれている。そこをサイコロの出た目だけ撃つ。
      装填できるのは6発だけど入ってる弾は1つ。弾が出るまで交互にサイコロを振る。
      先攻後攻、クジも君が選んで良い」

しかしフォックスはゲームを始めようとしない。
それどころかショボンを説得しようとしている。

爪;'ー`)y‐「話し合おうって、な?」



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 23:07:33.33 ID:cUDFdPi00

(´・ω・`)「四つん這いで3回まわって、ワンと鳴け。そしたら許してやる」

それを聞くとフォックスは舌を出し、両手両足を地につけながら、
ショボンの足下を周り始める。

3回周るとショボンを見上げながら、ワンと声を出す。
それを見たショボンは大きな声で笑う。
いつも人を殺すときのように。

(´・ω・`)「あははは、惨めだね。さあ先攻後攻どっち?」

爪;'ー`)y‐「え?許してくれるんじゃ・・・」

(´・ω・`)「君が僕に助けを求めたことを、ね。人を殺したことまで許すつもりはない」

爪;'ー`)y‐「そんな・・・」

落胆している姿を見て、ショボンは微笑んで言う。

「早くしろ」と。



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 23:10:14.76 ID:cUDFdPi00

爪;'ー`)y‐「ああ、畜生。俺が先攻だ。クジをよこせ」

ショボンからクジの入った箱を奪うと、一枚の紙を取り出す。
紙に書かれていたのは「頭」。

爪;'ー`)y‐「ふは・・ははは」

フォックスは狂ったかのように笑いはじめる。
そして手のひらからサイコロを落とす。
床に落ちたそれは2度ほど弾むと転がる。

出た目は「3」。

(´・ω・`)「しっかり自分の頭につけろよ、まずは6分の1だ」

フォックスは指をふるわせながらもトリガーを引く。


弾はでない。



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 23:13:45.96 ID:cUDFdPi00

2発目も不発に終わり3発目、出る確率は25%。

フォックスがトリガーに指をかけた瞬間、教室に音が響く。

「バン!!!!」

爪;'ー`)y‐「うわああああああああああああああ」

フォックスは銃を投げ叫ぶ。
頭に穴はあいていない。

(*´・ω・`)「はははははは」

ショボンが驚かすために口で言った音にフォックスは見事なリアクションを示す。
フォックスは腰を抜かし泣いている。
ショボンは銃を拾いフォックスに銃口を向け、トリガーを引く。

しかし、弾は出ない。
一命を取り留めたフォックスは急に強がる。

爪;ー;)y‐「次はお前の番だよな?は、早くしろよ」



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 23:16:02.93 ID:cUDFdPi00

(´・ω・`)「お前運良すぎだろ・・・」

ショボンはサイコロを振る。
出た目の色は赤、つまりは1。

(´・ω・`)「僕もついてるな」

フォックスを見下ろしながら右のこめかみに銃口を当てるショボン。
何のためらいもなく引き金を引く。





直後、パン、と乾いた音が空間に響く。
ショボンの左のこめかみからは血が噴き出している。



82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 23:19:01.20 ID:cUDFdPi00

爪;'ー`)y‐「・・・やった・・やった!!」

フォックスは歓喜の声を上げている。
すべてが元に戻るだろう、普通に考えたのなら。

フォックスの肩に後ろから手が乗せられる。
それに大きな声を上げて反応する。

爪;'ー`)y‐「なんでお前死んでないんだよ!」

後ろに立っていたのはショボン。
頬は血で赤く染まっている。

(´・ω・`)「死んだよ」



     「とっくの昔にね」



87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 23:21:40.35 ID:cUDFdPi00
爪;Д;)y‐「何なんだよおおおおおおお」

フォックスの瞳に最早光はない。
絶望と恐怖、ショボンと対峙する者に残るのはこれがほとんどである。

(´・ω・`)「まったく、特別だよ?」

ショボンはそう言ってフォックスにサイコロを手渡す。
そしてそれを投げるように促す。

(´・ω・`)「君が出した目が僕より大きければ君の勝ち。その時は逃がしてあげよう。
      小さかったなら僕の勝ち、頭を打ち抜く。さあどうぞ」

フォックスは嗚咽を漏らしながらサイコロを振る。
出た目は5、フォックスの目に希望の光が宿る。

が、次の瞬間、フォックスは額から血を吹き出し仰向けに倒れる。
ショボンは拳銃からでた煙を、そっと吹く。

(´・ω・`)「5とは良い目を出すじゃないか」

でも僕はもっと凄いんだ、そう言ってショボンは天井ギリギリまでサイコロを投げる。



90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 23:23:44.98 ID:cUDFdPi00

カラン、カラン。

サイコロが跳ねる音。

教室は机もきれいに配列されている。
マネキンは無い。ダーツの矢も、拳銃も。
一つおかしいと言えば、赤い液体を流す物体が転がっているだけ。

明日これを見た人はどう思うだろうか。
「誰がこんなことを・・・」
誰?だれだろうね?

悪いのは恨み屋?恨んだ人?恨まれた人?
そんなのは誰にも分からないさ。




静かな空間では、サイコロの六つの黒い点が天井を見つめていた。



91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/01(月) 23:25:05.92 ID:cUDFdPi00

<第2話 ルーレット> END



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