( ^ω^)とひぐらしのなく頃に。のようです

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:16:42.50 ID:DNIj+Ib20
眠りが覚めたときの感覚のようで違う。
それはまるで、今この場に転生してきたような・・・。

?「あっ!危ないブーン君!前、前っ!」
(;^ω^)「・・・っつ!?」

誰かの声に意識を戻した僕。
しかし、事態が把握できない。
高速で流れる景色。強烈な風。地面に足がついていないような・・・?

その時、何かにぶつかったような大きな衝撃。
体が浮かびあがった所で少しずつ状況が読めてくる。
僕は、自転車に乗っていて・・・ガードレールにぶつかって・・・。自転車から飛ぶように吹っ飛ばされて・・・。

そして・・・落ちる!?



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:18:15.35 ID:DNIj+Ib20
地面が目前にせまった時点でようやく全てを理解した。
理解しただけでは、どうにもならないんだけどさ。
僕はこの世の摂理に従い地面に叩きつけられ、2回転半転がり、電信柱と思われるものに強く頭をぶつけた。

そして僕はそのまま・・・。

橋渡し編。終劇。



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:22:30.79 ID:DNIj+Ib20
(;゚ω゚)「いやいや、僕はこんなもんじゃねーっすよ。僕なりのサプライズってやつですお!」
どうやら、無事だったらしい。多少の混乱はあるみたいだが。

?「ブ、ブーン君。大丈夫かな、かな!?」
( ^ω^)「・・・!?」

肩ほどまでのびた茶色の髪の毛。
帽子にワンピース。どちらも汚れのない純白。しかし、大胆なスリット。
そして、この独特な話し方・・・。間違いない!この人は!

( ;ω;)「・・・お、おお〜ん。おお〜ん。」
レナ「頭を強く打ったよね。大丈夫?私、竜宮レナだよ。わかる?!」

僕が痛みで泣いているのかと思っているのか、レナがとても心配してくれている。
可愛いものには目がないが、普段は優しくて、可愛らしい女の子。
過去の事情により危険な二面性もあり、また、自分を取り繕う癖もある。そんな人、それが竜宮レナ。

そんなレナが僕の目の前にいる!
つまり、僕はとうとう、来れたのか。夢にまで見た「ひぐらしのなく頃に」の世界に!
ありえない出来事に僕は涙が止まらなくなっていた。



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:25:16.89 ID:DNIj+Ib20
圭一「大丈夫かよ!?ブーン!」

前原圭一。僕のひぐらしでのお気に入りキャラ。
デリカシーがない反面、誰よりも思いやりの心を持っている。
都会から来たはずだが、そんな事は感じさせない明るさがある。

梨花「転んで泣いて、かわいそかわいそなのですよ。」

僕の頭を撫でながら話しているのは古手梨花。
この世界の全てを握っている人物。ちなみに僕の嫁。

沙都子「頭をぶつけたのですわよね!?早く病院にいくべきでしてよ!」

虐待の過去を持つ悲しい少女、北条沙都子。
いなくなってしまった兄を健気に待ち続けている。

魅音「くっくっく・・・。そんなに泣くってことはあれだね?男の子の大事な部分も一緒にぶつけちゃったんだね?おじさんにはわかるよ。」
レナ「魅ぃちゃん・・・今は冗談言ってる場合じゃないんだよ、だよ・・・?」

・・・ご覧のように空気読めないのが園崎魅音。
しかし、ここらを締めている園崎家の次期頭首でもある。恐ろしい子っ!



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:28:56.48 ID:DNIj+Ib20
うん、ちゃんと部活メンバー全員のこともわかる!
しかし・・・僕が皆の事を知っているのはいいとしても・・・。
何故、彼らは僕のことを知っているんだろうか?

・・・ここは、一芝居うつとするか。

圭一「お、おいブーン泣いてちゃわかんねぇよ。大丈夫か?」
( ^ω^)「おっお、多分大丈夫だお。・・・ところで僕は何をしていたんだっけ?」

僕以外の全員が青ざめた表情で顔を見合わせる。
きっと、僕が頭を打ったショックで記憶障害を起こしていると思ってくれたんだろう。

レナ「とりあえず、病院に行こう!きっと一時的なものだよ。」
沙都子「そうですわ!取り返しがつかなくなることもありましてよ!」

( ^ω^)「・・・計画通り。」
圭一「ん?何かいったか?」
(;^ω^)「いや、何でもないお。」

どこかの主人公が言いそうな台詞を言ってみたりする余裕もある。
どうやら僕は健康体そのものらしい。
さて、病院・・・入江診療所だろうな。そこで状況を把握するとするか・・・。



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:32:41.03 ID:DNIj+Ib20
入江「どうやら、脳に異常は無いようですね。記憶に少し異常があるのは心配ですが・・・。一時的なものでしょう。安心してください。」

入江京介。この診療所の医師であり、野球チームの監督もしているため、監督と呼ばれている。
「雛見沢症候群」の研究者としての一面もあるが・・・普段はただの変態にしか見えない。

レナ「よかったね〜、ブーン君。監督がそう言うなら安心だよ、だよ!」
魅音「ついでに下の場所も診てもらえば〜?( ・3・)」
圭一「魅音・・・。お前さぁ・・・。」

梨花「冗談も時と場合を考えろ、なのですよ。」
沙都子「まったくですわ・・・。」
実際に聞くと本当に空気読めてないのがよく分かるな・・・。



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:35:39.84 ID:DNIj+Ib20
( ^ω^)「・・・ところで、もう一度聞くけど、僕は雛見沢に圭一と同じ頃に引っ越してきたんだったおね?」
レナ「そうだよ。今は6月5日で、引っ越してきたのは5月22日くらいだったかな?」
皆、僕の演技に騙され、やや不安げな表情だったが頷いてくれた。

話を聞いて驚いたのだが、僕は雛見沢に引っ越してきて2週間程たっているらしい。
その間もこうして、部活メンバーと共に楽しく遊んでいたのだという。
もちろん、僕の記憶にそのようなものは存在しない。

今日は隣町の興宮にある図書館に行った帰り道だった。
じゃれあいながら帰路についていたところ、僕がハンドル操作を誤り、そしてガードレールに激突ということのようだ。
大体の事情は分かった。後は上手くやり過ごしていける自信がある。

( ^ω^)「なんだか、記憶がしっかりしてきた感じだお!」
魅音「それは良かったねぇ〜。本気で心配したんだから!」
梨花「魅ぃは、そんな感じは全くしなったのですよ。にぱ〜☆」

その後も、心の底から笑いあう、そんな気持ちのいい会話を続けていた。
自分を飾る必要なんてない。

ここでは学力なんて些細な優劣にすらならない。
年齢も、性別も、生まれや育ちも関係ない。
人と人が対等であり続ける。それが雛見沢。



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:39:26.81 ID:DNIj+Ib20

楽しい時間は流れるように過ぎていくもので、外は既に夕暮れ間近になっていた。
今日の診療所はお客もあまりいないようで、僕たちだけが残っているようである。

圭一「そろそろ、帰ったほうがいいんじゃないか?暗くなる前のほうがいいだろ」
魅音「それもそうだね。遊ぶのは明日にしよっか。」
レナ「毎日、遊んでいるようなものだけどね〜。」

そして僕たちは家に帰るため自転車に乗って・・・。
ん、家?

(;^ω^)「・・・僕の家ってどこだお。」
圭一「お、おい。それマジで言ってるのかよ。ヤバいんじゃねぇのか?」
(;^ω^)「い、いや、引っ越してきたばかりだし、それに完全に忘れた訳じゃないお。」

もっともらしい理由をつけて圭一をまくしたてる。
・・・いや、全然もっともらしくなんてないのは分かってるけど。



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:42:03.97 ID:DNIj+Ib20
梨花「み〜、それなら、沙都子と僕とで迷子のブーンを送っていってさしあげますですよ。」
沙都子「仕方ないですわね・・・。今回だけでしてよ?」
(;^ω^)「すまんお・・・。恩にきるお。」

その後、魅音、圭一、レナとは別れ、僕達は自転車で走り続ける。
途中で神社に続く階段らしきものを見かけた。

( ^ω^)「お?ここは梨花ちゃんと沙都子の家じゃないのかお?」
沙都子「なんで自分の家が分からないのに、私たちの家は分かるのでして!?」
梨花「み〜、ブーンの家は僕たちの家から少し行ったところにあるのですよ。」

ということは、沙都子と梨花ちゃんは僕の家に行った後、もう一度同じ道を辿る事になるのか。
( ^ω^)「・・・ありがとうだお。」
沙都子「?ブーンさんが困っているのだから助けるのは当たり前のことですわ。」
梨花「沙都子はとても良い子良い子なのですよ。」

沙都子は照れた様子で少し顔が赤くなったような気がする。
梨花ちゃんはそんな沙都子を見て満足気なようだ。
僕も思わず笑顔がこぼれる。



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:44:32.33 ID:DNIj+Ib20
梨花「ここがブーンの家なのですよ。」
沙都子「さすがに、実際に見てみれば思い出したでしょう?」
なかなか立派な一軒屋だ。満足満足。

梨花「それでは、僕達は帰るのですよ。両親にも宜しく言っておいてくださいです。」
沙都子「ブーンさんの親はちょっと変わっていますから余計な心配はさせない方が良いと思いますわ。」
最後にそう言って二人は元きた道を帰っていくのだった。

・・・両親か。
元の世界では僕が中学生の頃に両親は事故で他界している。
この世界では生きていることになっているのか、それとも・・・。

考えても一向に答えは出そうになかったので、家に入ってみることにした。
ドアの前で深呼吸して、心を落ち着かせて、ドアに手をかけて・・・。
ドアノブを回そうとした瞬間にドアが勢いよく開かれた。



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:46:28.24 ID:DNIj+Ib20
( ゚∀゚)「よぉ!ブーンお帰り!玄関で楽しそうな声が聞こえたからな!・・・ん?なんで倒れてるんだ?」
(#^ω^)「・・・それは自分の胸に聞いてみるお!」
なんだこいつは。筋肉ムキムキの長身の男。まさかとは思うが・・・。

( ゚∀゚)o彡゜「胸だと!それはもちろん・・・おっぱい!おっぱい!」
(;^ω^)「いや、全然そんな事は言ってないお。」
( ゚∀゚)「つれないなぁ。お前本当に俺の息子かぁ?あっはっはっ!」
扱いに困っていたところ、家の奥から僕の目から見ても、美しい女の人があらわれた。

('、`*川「もう!玄関先でうるさいわね!ジョルジュ!お帰りなさいブーン。もうすぐご飯だからね。」
( ゚∀゚)「おお!マイハニー!ペニサス、今日のご飯は一体なんだい?」
('、`*川「今日は、皆大好きハンバーグよ。とりあえず、二人とも家の中に入りなさい。」

父親と母親らしき人物に誘われるがままに家の中に入っていった。
2階建ての一軒屋。元の世界のワンルームマンションとはえらい違いだ。



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:49:27.52 ID:DNIj+Ib20
・・・それにしても、ペニサスとジョルジュ。この二人が僕の親?なのか。
他界してしまった両親とは違う。全くの別人である。

( ゚∀゚)「なぁー、ペニサス。自分の胸もんでも大きくなるのかなぁ。」
('、`*川「・・・大きくならないから私の胸もんでなさい」。
( ゚∀゚)「やっりー!ブーン今日は夜早く寝るんだぞ!トイレに起きたとかもなしだぞ!」

梨花ちゃんと沙都子が言っていた通り変わっている。・・・ていうか変態だ。
まぁ、悪い人ではなさそうだ。なんていうか、監督みたいな感じ?

にしても、この二人、20代後半ぐらいにしか見えない。
僕の両親という設定には結構、無理があるんじゃ・・・?

( ゚∀゚)「ブーン。お前はおっぱいのでかい彼女を見つけるんだぞ。そして俺がそれを・・・。」
('、`*川「それを・・・なんだい?私じゃ不満かい?」
(;゚∀゚)「い、いえ、Bカップの胸万歳ですよ。はい!」

・・・あ、殴られた。ていうか、5連コンボ?



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:51:33.33 ID:DNIj+Ib20
その後、夕食を食べ、お風呂に入り、僕は自分の部屋にあるベッドでくつろいでいた。
・・・なかなかいい部屋だな。86点ってところかな?

それに、夕食のハンバーグ美味しかったな・・・。
久しぶりに家族の温もりと暖かさを感じた気がする・・・。
元の世界の両親が居た頃を思い出した。あの頃も楽しかったな。

( ^ω^)「・・・そろそろ、今後の事について考えてみるお。」
強く思う事は意図的に口にする。僕の癖である。



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:53:53.99 ID:DNIj+Ib20
・現状把握。

今日で大体の事は知ることが出来たが、完全ではない。
例えば、この世界は僕の知る雛見沢と全てが同じなのか。
幸い、「綿流し」まではまだ2週間はある。少なくとも、それまで僕は死なないと思う。

・行動。

とりあえず、大体の情報が掴めたら、梨花ちゃんに話してみようと思う。
この世界を繰り返し生きている梨花ちゃんなら、僕が違う世界から来たと言っても信じてくれるだろう。
梨花ちゃんが、「皆殺し編」の記憶を持っていれば楽なのだが・・・。

・最終目標。

これは梨花ちゃんと変わらない。
部活メンバー全員が平穏な日常を手に入れて生き続ける事。
そのためには「鷹野三四」の野望を止めなくてはならない。

・・・・思ったより、大変そうだな。
答えは知っている。それを上手く生かしていけるかが重要になるな。



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/16(土) 21:56:23.49 ID:DNIj+Ib20
( ^ω^)「ん・・・ふぁ・・。」
欠伸がでた。
明日から学校だし、体を休めるのも大事だよね。

やることは多いけど・・・今はこの世界に来れた事を喜ぼう。
そして、精一杯楽しんでおこう。
・・・いつ死んでも良いくらいにね。

僕は梨花ちゃんと違って、一度死んだら終わりだろう。
恐らく記憶の引継ぎなどもないと思う。
別の世界の住人であるが故にルールは、やや厳しいか。

・・・でも、僕は今日聞いたんだ。

実際に聞くのは初めてだったよ。
隠していたけど、鳥肌がたつほどに感動したんだ。

そう・・・「ひぐらしのなく声」を。



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